70代になったばかりの
ある独身のご婦人から
(-その方は上品で
お育ちがよいことが
この私にもわかる
奥ゆかしくも凛々しいと言うか
「凛とした」
という言い方がぴったりのご婦人だ)
名画のDVDを頂いた。
かわいいクマのぬいぐるみが
描かれた、
パッケージにはいった
DVDがちょうど入る
マチのついた小さな布のバッグに
入れて、
下さった。
『アラビアのロレンス』
『風と共に去りぬ』
『若草物語』
『カサブランカ』…
「映画史」なんて
学科を学校で習ったら
まず教科書に太字で
出てきそうな名画ばかりだ。
私のために選んで
下さったのだろうか。
(でも観たことがあるのは
『アラビアのロレンス』と
『風と共に去りぬ』だけだ
)
『オズの魔法使い』なんて
私はダイアナ・ロスしか
知らないけれど、
ジュディ・ガーランドのも
あったのかあ
…ダイアナ・ロスは『ウィズ』
でしたね
。
アラビアのロレンスより。ピーター・オトゥルとオマー・シャリフができてるって書いたのは森茉莉だったっけ?LGBTQへの理解もロクになかった時代に書いてたから、勇気あったなあ。いやあの作家さんは、美しいものにそんなタブーなかったんだろう。違うかなあ
。
「ゆっくり観てくださいね」
さびしくないのかな
なんて思った。
彼女がこれらをくれた理由は
「断捨離」
だったからだ。
早い人は還暦の声をきいたら
始めていると言う。
私はアルバムの写真を整理したわ、
と得意げに言っていたひとも
居た。
人生100年とはいうけれど。
2024年の日本女性の
平均寿命は87歳とちょっとだ。
70代、というと
あと20年生きる保証は無い。
20年があっという間だという
ことを、
アラカンになった私は
いや還暦界隈のヒトたちは
みんな知っている。
(私の母は実際、
平均寿命を目の前にして
亡くなった)
身辺きれいにしておいたに
越したことはない。
風と共に去りぬよりスカーレット・オハラ。きれいですねー
。この映画を撮っていた時相手役のクラーク・ゲーブルの口臭がすごかったとか。私が赤いグラジオラスを勝手にスカーレットと呼んで愛でているのは、彼女に依る。
でも。
お芝居好きの彼女だ。
きっと映画も、好きなんだろう。
潔く手放すなんて、
なんて男前な。
家に帰ったら●●を観よう♪
と思って帰ってきて、
いつもの棚を見たら無い・
あああれは、烏丸さんに
お譲りしたんだわ
なんて思って、
ちょっぴり胸の奥が
ぼーんやり痛くなって
気分が沈むことなんて
あるんじゃなかろうか。
それでもいいんだ、という
覚悟があるのかな。
彼女と私は確か
6っつ以上も離れている。
このくらいの年齢差だと
分からないけれど、
いつかは「遺品」になって
しまうのかな、
なんて考えて
なんて不吉なことを考える
のだろう、と自分にあきれる。
ふつうはそこまで考えないよね、
なんて思って
私もきっと彼女がしてきたように
そんな、覚悟ができるその時まで
心行くまで楽しもう
と思った。
…覚悟、できるのかな。
やっぱりスカーレットオハラを出したらエビと白鷺も出すのであった
。



