鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

(2024年7月31日号)

*大統領選と総裁選

 文化人放送局の「復刊 撃論ムック」に出演した。米国の大統領選について感想を述べたが、時間の関係で十分意を尽くせなかったので、ここで敷衍する。

 大統領選は熾烈を極めているが、実は私は、これを羨ましいとさえ思う者である。というのも、来年1月に就任する米国の次期大統領はトランプか、ハリスかのいずれかに絞られており、しかも、その選択は米国民に委ねられているのだ。

 翻って我々日本の状況は、と言えば、来年1月時点における日本の総理が一体誰なのか皆目見当もつかない。誰かが総理の座にいることだけは確かだが、その総理が誰によって選ばれた者なのか、今も所予想すら出来ない。

 

 マスコミではトランプならどうなる、ハリスならどうなる?と大騒ぎをしているが、実は二つ対策を考えておけば来年の計画を立てることができる。ところが日本の場合、来年の総理が誰なのか、まったく分からないのだから対策も考えられず、従って計画も立てようがない。

 トランプの暗殺未遂、バンスの副大統領候補指名、バイデン撤退、と米国のかつてのテレビドラマを字で行くような目まぐるしい展開は、太平洋の対岸にいる我々の目をすら釘付けにする。

 確かに米国の誹謗中傷合戦は民主主義の末期を思わせる。古代ギリシアのアテネの民主政は、こうした誹謗中傷合戦の中で幕を閉じた。だが、それでも候補者を二人に絞り込み、国民に選択させると言う民主主義の原則は米国ではまだ生きている。

 民主主義の末期にいるのは、むしろ我々日本なのではあるまいか?

https://www.youtube.com/live/MeCESN9_3lg?si=iAbXm3EkSsoFfVRZ

 

 軍事ジャーナリスト鍛冶俊樹(かじとしき)

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