鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

(2024年6月3日号)

*軍事の鉄則:疑わしきは罰せよ!

 大紀元に拙稿「疑わしきは罰せよ、北朝鮮の弾道ミサイル発射、中共にも責任、沖縄・台湾侵攻に加担の算段」が掲載された。以下、概要を紹介する。

 

 5月27日に4年半ぶりの日中韓首脳会議がソウルで開かれた。日本から岸田総理、中国から李強首相、韓国から尹大統領が参加して同日閉幕した、その夜に北朝鮮は軍事偵察衛星の発射を強行した。ロケットは途中で爆発し、北朝鮮は翌日未明、衛星打ち上げの失敗を認めた。

 昨年から北朝鮮が挑んでいるのは軍事偵察衛星であり、ロシアが技術支援をしている。つまり2022年にウクライナに侵攻したロシアは、砲弾不足に悩み北朝鮮に接近して、北朝鮮から砲弾を輸入し、見返りに北朝鮮に軍事偵察衛星の技術を供与しているのである。

 

 だが、これに不服なのが中国だった。北朝鮮の中距離核ミサイルは東京だけでなく北京も射程に入れてしまう。軍事偵察衛星は核攻撃の標的を見定める為のものだから北京政府が喜ばないのは当然であろう。そこでロシアのプーチン大統領は昨年10月18日に北京で習近平主席との会談に臨んだのだった。

 おそらくプーチンは、習近平に次の様に説明したのだろう。「北朝鮮の中距離核ミサイルは、中国が台湾に侵攻し、米軍が台湾防衛のために出撃しようとした際に、米軍の出撃拠点である沖縄とグアム島を攻撃するためのものだ。軍事偵察衛星は、その攻撃目標を特定するために必要なのだ。」と。

 もちろん、これは単なる推測だ。だがこれ以外に、中国に北朝鮮の軍事偵察衛星を容認させる説明が考えられるであろうか?

 疑わしきは罰せずというのは司法の原則だ。しかし軍事の原則は疑わしきは罰せよ、である。敵の先制攻撃を許して味方が壊滅したら、元も子もない。だからこそ、敵の攻撃の兆候を察知するための情報活動が重要なのだ。

上記の推測は、この情報活動の一環であると考えていただければ幸いである。

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 軍事ジャーナリスト鍛冶俊樹(かじとしき)

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