鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

(2024年2月25日号)

*日米韓台の同盟

 大紀元に拙稿「台湾有事、韓国軍の介入を期待する米当局 日米韓台の同盟はありうるのか」が掲載された。概要を紹介する。

 

トランプ前大統領のインド太平洋戦略では、韓国の役割は期待されていない。トランプ自身は在韓米軍の撤退を真剣に考えていた。インド太平洋戦略で韓国を活用しようと考えたのは、現大統領のバイデンである。だが、当時の韓国の大統領は親北、親中、反米の文在寅(ムンジェイン)であり、米国の台湾防衛に協力する気持ちは皆無だった。

 2022年5月に親米派の尹錫悦(ユンソニョル)が大統領に就任して風向きが変わった。文政権時代には見送られてきた日米韓共同訓練が復活したのである。これは対北が建前なのだが、米国の本当の狙いは台湾防衛に韓国軍を活用することだ。

 

 台湾有事に際して米軍が直接介入すれば、米中戦争になり核保有国同士の戦争は核戦争にエスカレードしかねないから、米軍の介入はできない。日本に介入して貰いたいところだが、日本は集団的自衛権の行使を一部しか容認していないから、法的に不可能だ。

 ところが韓国は集団的自衛権を100%行使できるのである。韓国は台湾防衛に関与するとは、明言していないが、韓国を主敵と明言した北朝鮮が中国の台湾侵攻に参戦する姿勢を強めつつある現状では、韓国もまた台湾防衛に関与せざるを得なくなると見られる。

 東アジアの情勢は中朝露vs日米韓台の構図を描きつつあるのである。

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 昨日、日本李登輝友の会台湾セミナーで「日米韓台の同盟はありうるのか」と題して講演を行った。拙稿をなぞった趣旨で話したが、さらに付け加えて「日米韓台の同盟が実現すれば、台湾、韓国、日本の安全が保障されることは言うまでもないが、同時に中国共産党は党是である台湾統一が不可能になり、中国支配の正当性を失い崩壊に追い込まれるだろう」と結論付けた。

 

 軍事ジャーナリスト鍛冶俊樹(かじとしき)

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