鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
*北朝鮮の背後に悪の枢軸
大紀元に拙稿「蠢動する北朝鮮の背後にある悪の枢軸」が掲載された。概要を紹介する。
北朝鮮の核ミサイル開発は、昨今急速な進展を示している。14日には、日本海で中距離弾道ミサイルの発射実験を行った。また19日には「水中核兵器システムの実験を行った」と発表している。
昨日も巡航ミサイルを日本海に発射したが本日、北メディアはそれが「核爆弾搭載可能な潜水艦発射型の巡航ミサイル」だと公表した。
北朝鮮は、30年来核兵器開発を続けて来ているが、ここ数年の進歩は目覚ましく、背後にロシアの強力な支援があることは確実だ。
ではロシアの狙いは何かと言えば、ハマスを支援するイランを絡めた戦略であろう。昨年11月、イランは濃縮ウランを増産し始め核兵器開発を再開した。
イランが核武装すれば米国が維持してきたNPT(核拡散防止)体制は崩壊する。NPT崩壊を食い止めるためには、米国は一旦中止したイラン核施設空爆作戦を復活させるしかない。
こうした状況をかねてから予期していたのが、イランの同盟国のロシアである。ロシアはウクライナ侵略を始めたときに、北朝鮮に朝鮮半島の緊張を高めるように依頼していた。米国の戦力を朝鮮半島に釘付けにするためである。
ハマスは昨年10月のイスラエル攻撃について、半年前から準備していたから、プーチンは9月の段階で攻撃計画を知っていた筈だ。そこで同月、金正恩に会い、核ミサイル開発支援を加速させた。朝鮮半島の緊張を更に高め、米国の戦力を東欧、中東、朝鮮半島に分散させる狙いである。
今月の北朝鮮の軍事挑発のおかげで、米空母は朝鮮半島に釘付けになり、イラン核施設空爆は不可能になったのである。
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軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
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