鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

(2024年1月10日号)

*史上最大の選挙イヤー

 大紀元に拙稿「2024年は史上最大の選挙イヤー・・日本への影響はいかに」が掲載された。まさに今年は選挙イヤーで主だった選挙を列挙すると台湾総統選、インドネシア大統領選、ロシア大統領選、ウクライナ大統領選、韓国国会総選挙、EU議会選、自民党総裁選、米大統領選等々、世界的に選挙のオンパレードだ。

 大紀元の拙稿では、それらすべてに言及し更には中国経済危機にも触れているが、本誌では、日本の隣国である、台湾と韓国に限定して概説する。

 今週行われる台湾総統選については、親米派の頼清徳候補の優勢が伝えられているが、同時に行われる国会議員選挙では親中派の優勢が伝えられている。従って仮に頼清徳が勝利しても、国会で親米派が少数派となれば、米国製の高価な兵器の購入が難しくなり、中国の台湾侵攻に有利な状況が生まれかねない。

 

 4月の韓国国会議員選挙はもっと深刻だ。現在、韓国国会では野党すなわち親北派が過半数を占めており、尹大統領を支持する与党すなわち親米派が少数与党となっている。従って与党が巻き返せるかが焦点になっている。

 ところが尹政権の評判は芳しくなく、現状では野党が優勢だ。もし4月の総選挙で野党が多数派を維持すると、尹政権は危機的な状況になることが懸念される。

 というのは、野党優位の国会で、韓国の情報機関である韓国国家情報院が北朝鮮の韓国内における情報工作を捜査できないとする法律が既に成立しており今月から発効している。4月の総選挙で野党が勝利すれば、この法律は継続され、事実上、北朝鮮の韓国への情報工作は野放しとなろう。

 

 北朝鮮は、この機を逃さず大規模な世論工作を仕掛けて来ることが懸念される。左翼系の労働組合やマスコミが連動すれば大規模な反政府運動が展開され、2016年の朴政権同様に尹政権が崩壊する可能性がある。

 尹政権は親米、親日、反中、反北であり、日米韓の連携で東アジアの安定を支えていこうとしているわけだから、ここで尹政権が崩壊することは日米にとっても致命的な打撃となろう。

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 軍事ジャーナリスト鍛冶俊樹(かじとしき)

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