鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

(2021年10月8日号)

2025年に台湾侵攻?

 6日、台湾の邱国正・国防相が台湾の国会で「中国軍は、2025年にも本格的な台湾への侵攻が可能になる」との趣旨を答弁した。同時期に台湾国会に提出された報告書では「中国が2025年にも台湾海峡周辺を封鎖する能力を備える」と言う趣旨を記述している。

 

 前号でお知らせした共著「2023年台湾封鎖」と2年のずれを疑問に思う人もいるかもしれないが、邱国防相は「中国軍が現時点で侵攻すれば大きな代償を伴うが、2025年には代償が小さくなり全面的侵攻が可能になる」と述べている。

 共著では、中国は政治的な判断で2023年に台湾封鎖に出る公算が高いとの編集部の分析から、この書名が採用されている。従って拙論では2023年台湾封鎖には触れていない。むしろ中国が空母4隻体制を整える2026年以降の本格的侵攻を懸念しているのである。

 

 もし台湾が中国の手中に落ちれば、在日、在韓米軍はシーレーンの確保が困難になるから撤退せざるを得なくなろう。つまり台湾と日本は地政学上、運命共同体と言うべきであり、台湾防衛は日本の責務でもある。

 岸田総理は本日の所信表明演説で、国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の改定を表明した。事実上、防衛費の増額を表明したと見てよいが、問題は具体的にいくら増額できるのか?である。

 

 共著「2023年台湾封鎖」は11日発刊予定だが、既に大手の書店では扱っていよう。何卒、ご精読を賜りたく伏してお願い申し上げる次第である。

 軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)

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