鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2020年8月20日号)
*映画「赤い闇」は必見だ。
映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」を見た。
1930年代のスターリン独裁下のソ連の実態を、一人の英国人ジャーナリストが暴こうと奮闘した実話である。だが誰でも見れば直ぐに気が付くだろう、これは過去のソ連を描いているばかりではないのだ。
1930年代のモスクワには、欧米などから沢山の記者が派遣されていた。それは今の北京と同様だ。しかし当時の記者のほとんどはソ連の実態を報道できなかった。それもまた今の北京にいる記者が中国の実態を報道できないのと同様である。
しかし何故、今、北京の記者は実態を報道できないのか?理由はこの映画を見れば一目瞭然だ。報道させないことが共産主義の本質だからだ。
すなわち、この映画は今も昔も相も変らぬ共産主義体制の実態を描いているのであり、そこに描かれているのは現在の中国や北朝鮮の実態そのものなのである。
この映画は海外で高い評価を得ているが、なぜか大手メディアは評価に後ろ向きだ。無理もない。過去にモスクワで記者が人質になっていたように、国家安全維持法が施行された現在、北京の記者も、また人質なのである。
そんな大手メディアの臆病風に災いされてか、客足は遠のいているようだ。私は恵比寿のガーデンプレイスで見たが、館内はガラガラ。ゆったりと見られて、その後のビールも旨かったが、今週いっぱい上映されるかどうか、際どいところだろう。
米中冷戦が始まった今、この映画を見ておくことは後世、歴史の生き証人として重要な意味を持つであろう。
*前号「アグネス・チョウとソ連化する中国」を解説した動画番組がUPされた。前号に含まれない情報も追加してあるので是非ご視聴を!下記をクリック
軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
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