軍事ジャーナル(4月6日号)

 自衛隊の日報が隠蔽されていた問題は、自衛隊全体の責任である。秘密保全と情報公開の吻合を問う声は当然あろうが、日報を情報公開の対象として認めた以上、それを隠蔽するのは許されない。自衛隊としては妙な言い訳をせずに、平身低頭、真摯な対応に努めるべきであろう。
 政界では森友文書以上に問題だなどと騒ぐ向きもあるが、改竄と隠蔽でどちらの罪が重いかと言えば、改竄に決まっている。隠蔽されても真実は破壊されないが、改竄されれば真実は破壊されてしまう。

 さて東京が日報問題で大揺れしている間に、沖縄ではもっと重大な問題が発覚した。昨日の琉球新報によれば、20代の中国人男性が運転免許証を日本人名義に偽造し、米軍基地で隊舎工事に従事して、偽造公文書行使の容疑で逮捕された。
 他にも複数の中国人が基地工事に従事しており、県警は偽造運転免許証が使用されていないか捜査しているが、彼らは既に海外に逃走している。つまり沖縄で中国人が日本人に成りすまして米軍基地に潜入していたのである。
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 中国は尖閣諸島に海上警察を侵入させているが、なぜ軍隊でなく警察なのかと言えば、軍を派遣すれば、米軍が尖閣防衛のために出動するからである。ところが先月、中国海警は軍の指揮下に入った。
 つまり海警と中国軍とは連携して動ける訳で、尖閣への軍事侵攻はもはや時間の問題とも言えよう。ならば中国としては沖縄の米軍基地への情報工作を強化するのは当然であろう。ちなみにこの場合の情報工作とは、単に米軍の動きを監視するだけではなくて、尖閣侵攻に際しては米軍の出動を妨害する破壊工作を含む。
 日本にはスパイ防止法がないので、外国の情報工作に対して公文書偽造などの法令で漸く対処できるに過ぎない。つまり今回の事件は氷山の一角であり、この数百倍もの工作員が潜入していると見て間違いあるまい。