軍事ジャーナル(12月6日号)

 先月21日、米原子力空母ロナルド・レーガンが母港、横須賀に帰還した。6月20日に米空母ステニスとフィリピン沖で演習し、6月30日には南シナ海を航行し中国海軍を牽制し、9月からは北朝鮮危機に備え主に日本海、黄海周辺を遊弋していた。
 そして横須賀に帰港し乗組員は感謝祭の休暇に、船体はメインテナンスに入った3日後の25日、中国空軍の戦闘機スホイ30、2機が宮古海峡を、また爆撃機H6、2機、偵察機Tu154を含む中国空軍機4機がバシー海峡をそれぞれ突破し、西太平洋で合流した後、宮古海峡を通過して大陸に帰還した。

 宮古海峡は台湾の北東、バシー海峡は台湾の南にあることから明らかな様に、中国の作戦の意図は台湾の包囲であり、台湾侵攻の準備である。今月2日にトランプ次期大統領は台湾の蔡英文総統と電話で会談し、台湾防衛の意思を明確にした。
 トランプは既にマティス元米中央軍司令官を国防長官に指名しており、狂犬の異名を持つマティスは海兵隊出身である。海兵隊の本来の任務は上陸作戦であり、台湾が中国に軍事占領された場合、これを奪還するための上陸作戦を実施するには最適の人物であろう。
 更にトランプは4日、ツイッターで「中国は南シナ海の真ん中に巨大な軍事施設を建設していいかと(米国に)尋ねていない」と中国の南シナ海進出を認めない姿勢を示した。狂犬マティスに任せれば南シナ海の中国軍基地など木端微塵に吹き飛ばせると息巻いているのである。

 中国は南シナ海と東シナ海への侵略を加速しているが、台湾は二つの海の中間にあり、台湾を軍事的に獲得しなければ両海の支配権は確立しない。そもそも、台湾併合は毛沢東以来の中国の悲願であり国是でもある。今さら諦められるものではない。
 今までは両岸繁栄で潤ってきたから現状維持で良かったが、経済不況に苦しむ現在では、かつて香港返還が経済成長の起爆剤になったように、台湾併合を実現して経済の起死回生を狙う本音も見え隠れする。
 米中激突の発火点は台湾となりそうである。

1日、田母神裁判、検察による被告人尋問があった。
https://www.youtube.com/watch?v=f3oV51O2TsQ&t=2493s