漫画の時代考証の話【カラス男】 | RAVEN MAN'S COMPANY Web-log

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カラス男商会と蜥蜴堂のもはや漫画ブログ。週1~2日を目安に不定期更新中。

ぼちぼち、大学院の授業登録や博士課程のガイダンスが始まる時期ですね。僕の通う洛中大学(仮名)は、授業が四月の第二週始まりで、4日あたりから各学部・研究科で説明会があります。

さて、今回は久しぶりにレビュー書きました↓

『Quarterly pixiv vol.07』エンターーブレイン.2011.12.26
$RAVEN MAN'S COMPANY Web-log-季刊pixiv_vol.7

表紙にあるように、漫画の作り方が大きな特集。特に注目したのは、どうやって森薫先生が『エマ』や『乙嫁語り』の時代考証をされているのか?というところ。インタビューでチェックしました。


まず、『エマ』については、絵作りの場合、資料本のほか、ドラマの『シャーロック・ホームズの冒険など時代考証のしっかりした映像資料を見て、イギリス人的な考え方、イギリス人にとってのツボを理解していくそうです。絵作り以外では、本や文字資料から知識を入れた後、画像資料のビジュアルに当てはめていくとのこと。


次に『乙嫁語り』。絵に関しては、当時の写真やドキュメンタリー番組などを参考にしているそうです。あと、中央アジア関係の学会や中近東文化センター、民族学博物館(吹田市の「みんぱく」?)などの研究所にある図書室で棚を調べまくり、いい本があればタイトルを控え、オンライン書店から注文。

海外の書店にも資料を注文されるそうで、英語やドイツ語、ロシア語の資料を「情熱だけでなんとか解読」しているとのこと。



僕は、ほぼ下線部の作業を日常的にやっています。大学院で歴史系の研究をやってる者でして、文献を元にした研究方法の場合、資料を持ってそうな図書館や団体を調べ、そこに出かけて行って資料を閲覧したりコピーしたり、無理ならタイトルをメモっておいて、研究室に帰ってからPCでネット書店に注文!だいたい、資料の入手方法は同じですね。

読めない外国語の資料は、語学辞典を片手に力技で意味を日本語でとりながら読んでいっています。僕の場合、英語とスペイン語は時間をかけて日本語に翻訳して読んでいます。ラテン系言語はスペイン語に近くて意味をざっくり取り、あとの分からない言語は力技!!そんなやり方です。


また、インタビューで森薫先生は『乙嫁語り』が進むにあたって、読者が中央アジアのイメージを掴むためのビジュアル的工夫を意識して絵作りをしたことを語っています。


今回、インタビュー記事を読んでいて、漫画作りでの時代考証のやり方が分かりました。管理人たちの歴史小説漫画化計画に生かしていきたいと思います。