執着 | 辛島小恵ブログ「La Piccola Fortuna 」Powered by Ameba

執着

ある朝、道を歩いていたらどうしてもフルーツサンドウィッチが食べたくなり、通りがかりの名もないフルーツパーラーに入りました。

注文して待つこと15分。暇なので、観察タイムに。

お店の女性店員さんたち、綺麗だけれどメイクが飲食店にはそぐわない・・ガラス越しに作っている男性店員さん、動きが荒く、乱暴な言葉で次々にお皿を出している・・・お店の内装がところどころ剥げていて清潔に見えない・・・。もうどうにも気になり、その場にいるのが苦痛になってきました。フルーツサンド待ちで20分経過。店員さんに声をかけてみました。

「すみませんあと1分です」という言葉から、実際にお皿が出てくるまでは5分以上ありました。

・・・やっと出てきたお皿には、パンは固く乾き、明らかに缶詰のフルーツと緩いクリームがはみ出している、ぐちゅっとした物体が乗っていました。

食欲は全く失せていましたが、25分も待ったので、一口食べてギブアップし、お店を出ました。


予定まで時間はたっぷりあったので、早めに言って時間を潰そうかと電車に乗りました。なんだか気分が悪かったので、フルーツサンドのことは忘れようとしました

しかし電車が動いた瞬間、満たされない欲求が疼きました。せっかく乗った電車でしたが、次の駅で下り、何度か行ったことがある某有名フルーツパーラーに脇目も振らずに直行。リベンジ。

何に対する感情かよく分かりませんが、そこにあるのはフルーツサンドへの尋常でない執着でした。

結局、フルーツサンド欲求を満たすのににかかった時間は計2時間以上でしたが、後に残ったのは心地良い、やり遂げた感でした。


「執着」という言葉はマイナスイメージが強いですが、プラスのイメージの言葉で言い換えると「粘り」。


簡単に手に入れたものと、執着して粘って手に入れたものでは、同じ成功でも喜びの大きさが違うと思います。

そつなくこなすというのもひとつの美学ですが、何かにこだわり、執着し、粘るのもいいなと思います。



「レ・ミゼラブル」の稽古が始まりました。

初日の幕が空くまで、存分に粘っていきたいと思います!



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