日本の「カミ」以前の信仰を探る  | 魁!神社旅日記

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すでに見てきたように記紀日本神話は記紀編纂当時の7世紀ごろの

 

当時の最先端の神話である出雲神話を中核に宮廷神話、日向神話などを編集したもので

 

あったが、その奥にはさらに古いいくつもの神話、淡路神話、三輪山神話、古伊勢神話、古太陽信仰、紀伊熊野神話、海人神話、地方神話など

 

が基礎になり、地層のように古い神話の上に新しい神話が書き加えられており

その連続性と編纂時よりもさらに古い由緒を証明している大変貴重な神話である。

 

そして、その語られる「カミ」の信仰もその当時の新しいものであり、

 

日本に伝わる各種の古文献にみられる言葉には日本には「カミ」よりもさらに古い別の信仰が

 

断片的に伝えられている。

 

 

 

「カミ」とは別の古い日本の信仰は「タマ」である。

 

それは先日、「アマテラスの誕生」(筑紫申真)を読んで「アマテラスオオミカミ」の原型が

 

「アマテルタマ」にあると知った時に、それを確信いたしました。

 

最近でも少し前まで盛んな勢力を維持していたヤクザものでも「命をとる」というのを

 

「タマをとる」と言っていたのは、このタマの信仰の名残でしょうか。

 

また、明治維新の際に志士たちが天皇を「玉」という隠語で呼んでいたのも、この

 

タマ信仰の名残ではないでしょうか。

 

このタマの信仰について以下、「日本語に探る古代信仰」(土橋寛著)を参照させていただくと、

 

この「タマ」信仰の代表的な例が「言霊(ことだま)」、「魂振り(たまふり)」、「御魂(みたま)の振ゆ」

 

という言葉であり、

 

さらに「タマ」よりも古い日本語の霊力を表す言葉は

 

「ヒ」(霊、日)

 

「チ」(血、乳、茅、鉤、親)

 

「ニ」

 

であり、タマを核とした代表的な神名は

 

一、布都御魂

 

一、宇賀能美多麻神

 

一、布刀玉命

 

一、宇都志国玉神

 

一、天津国玉神

 

一、倭大国魂神

 

一、大国御魂神

 

である。

 

 

今後も研究テーマとして探究していきたい。