昼、新宿で劇団ソイミルクと打ち合わせ、劇団員の俳優さんと、マネージメントの(自らも女優で主宰者)の千代反田美香さんと面会。若手俳優の倉場健人くんを今回のキャストにお借りする。倉場くん、こちらの台本にあったキャラクターにぴったり。
これで、島さん推薦の女優さん(声優さん志望の人)の海部音さんと合わせて11人。本当はあと2人ほど入れる予定だったのだが、今からではキャスティングしてその人に会わせた役を作って書いて……というのは難しくなる。今回は11人体制で行こう。
もともと、12月公演は4月公演の段階で仮チラを挟み込んでいた『イロウジョン(侵蝕)』という話になる予定だったが、重要な役でキャスティングしていた女優さん2人がよんどころない事情で出演NGになってしまい、この2人に代わるピッタリのキャスティングの役者さんを探すのが難しいと思われたため、急遽、来年上演の予定でシノプシス作っていたこの『ペットハウス』を前倒しにして製作することにしたものだ。
非常手段ではあったものの、話自体は大いに気に入って来年の目玉のひとつにしようと思っていたものなので、面白いものにはなるはずだ。ただし、スケジュール的にはギリギリなので、役にあった役者を捜すということは出来ず、出演可能な役者さんに合わせて役を作るということになる。ここらへんで脚本家とユニットの力が試される。がんばろう。昭和怪獣映画の傑作のひとつとされている『三大怪獣地球最大の決戦』は、黒澤明の『赤ひげ』の公開が遅れたため、急遽その穴埋めに製作された作品だが、430万人の動員数を誇る大ヒット作品となった。そういう例もある。
午後5時より初台にて稽古。2回目ながら盛り上り、冒頭のシーンでの役者さんたちの息がもうぴったり。そして、うちのユニットでは『オペラ座の探偵』以来の舞台出演になる(『お父さんは生きている』では映像出演、『ウサギと幽霊』では声の出演)立花伸一さんの役がもう、爆笑もの。立花さんを知る者が見たら、究極のアテ書きと評価されるのではないか。こういうところがアテ書きの楽しさである。