・自然科学分野で引用回数多い論文の数 日本は過去最低の13位
NHKニュースウェブ8月8日付記事、元は文科省です。
自然科学分野で引用回数多い論文の数 日本は過去最低の13位 | NHK | 文部科学省
すでに1週間以上前の記事ですが、忘れないうちに載せておきます。
私のコメントは少ないです。
概要>自然科学分野の論文で、注目度が高いことを示す、引用された回数の多い論文の数を、世界の国や地域で比較したところ、日本は13位と過去最低となりました。
>文部科学省の科学技術・学術政策研究所は、日本の科学研究の現状や課題を分析するために、毎年、世界の研究動向などをまとめています。
>このほど最新の調査結果を公表し、このうち2019年からの3年間に世界の国や地域で発表された自然科学分野の論文について、他の論文に引用された回数が各研究分野で上位10%に入った注目度の高い論文の数は、平均で多い順に、
>▼1位の中国が5万4400本余り、
次いで
▼アメリカが3万6200本余り、
▼3位のイギリスが8800本余りでした。
>一方、日本は3700本余りで、過去最低だった前回の12位よりもさらに順位を1つ落として13位まで後退し、データが残る1981年以降で最も低い順位となりました。
>また、1年当たりの平均の論文数でも、中国が46万4000本余りで世界1位となったのに対し、日本は去年と同じ5位で、7万700本余りでした。
>この結果について、調査を行った科学技術・学術政策研究所は「研究時間の確保が難しいことや、博士課程への進学率の長期的な減少傾向などが、日本が順位を下げた要因だと考えられる」と分析しています。
要するに、日本の研究者は注目度の高い論文を出せていないということです。
近年、ノーベル賞受賞者数では日本は素晴らしい成績を収めています。
次は2000年以降2019年までに自然科学3分野のノーベル賞を受賞した日本人について整理した記事です。
ノーベル賞(2019年) | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)
しかし、それはあくまでも過去の研究業績に関するものであって、21世紀に入ってからの日本の科学技術政策の成功を意味するものではありません。
理由に挙げられている「研究時間の確保が難しい」というのは、研究者が研究以外のいわゆる「雑用」に追われて、本来の研究ができていないという意味でしょう。
でも、他国ではできていることが日本ではできていないのは、日本の科学技術政策の誤りを意味するのではないでしょうか。
次は発表元の文科省資料「科学技術資料2023(概要)」の引用です。
> 「科学技術指標」は、我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき、体系的に把握するための基礎資料であり、科学技術活動を「研究開発費」、「研究開発人材」、「高等教育と科学技術人材」、「研究開発のアウトプット」、「科学技術とイノベーション」の 5 つのカテゴリーに分類し、約 170 の指標で 日本及び主要国の状況を表している。
本概要では「科学技術指標 2023」の注目すべき指標を紹介する。
1.主要な指標における日本の動向
主要な指標における日本の動向は、以下の通りである。 おおむね科学技術指標 2022 と同様の順位であるが、大学、公的機関の研究者数、注目度の高い論文数において順位を下げた。日本は多くの指標で、米国や中国、英国やドイツに続く第 3 位もしくは第 4 位に位置しているが、伸びでは他の主要国と比べて小さいものが多い。英国と中国については研究開発費及び研究開発人材データの見直しが生じた。その結果として、英国は企業や大学の研究開発費が増加し、中国は近年のデータの OECD による 公表が控えられている。また、米国は 20 年近く値が示されていなかった大学、公的機関の研究者数が OECD で公表された。日本の研究者数の順位変動はこの影響によるものである。
【概要図表 1】 主要な指標における日本の動向
指標 日本の順位の変化 日本の数値 備 考
研究開発費※ 3 位→3 位 18.1 兆円 1 位:米国、2 位:中国
企業 3 位→3 位 14.2 兆円 1 位:米国、2 位:中国
大学 4 位→4 位 2.1 兆円 1 位:米国、2 位:中国、3 位:ドイツ
公的機関 4 位→4 位 1.5 兆円 1 位:中国、2 位:米国、3 位:ドイツ
研究者 3 位→3 位 70.5 万人 1 位:中国、2 位:米国
企業 3 位→3 位 52.9 万人 1 位:中国、2 位:米国
大学 3 位→4 位 13.7 万人 1 位:中国、2 位:米国、3 位:英国
公的機関 3 位→4 位 3.0 万人 1 位:中国、2 位:ドイツ、3 位:米国
論文数(分数カウント) 5 位→5 位 7.1 万件
1 位:中国、2 位:米国、3 位:インド、4 位:ドイツ
Top10%補正論文数 (分数カウント) 12 位→ 13 位 3.8 千件
1 位:中国、2 位:米国、3 位:英国、4 位:ドイツ、5 位:イタ リア、6 位:インド、7 位:オーストラリア、8 位:カナダ、9 位: フランス、10 位:韓国、11 位:スペイン、12 位:イラン
Top1%補正論文数 (分数カウント) 10 位→ 12 位 3.2 百件
1 位:中国、2 位:米国、3 位:英国、4 位:ドイツ、5 位:オー ストラリア、6 位:イタリア、7 位:カナダ、8 位:インド、9 位: フランス、10 位:スペイン、11 位:韓国
特許(パテントファミリー)数 1 位→1 位 6.6 万件
ハイテクノロジー 産業貿易収支比 6 位→6 位 0.7
1 位:韓国、2 位:中国、3 位:ドイツ、4 位:フランス、 5 位:英国
ミディアムハイテクノロジー 産業貿易収支比 1 位→1 位 2.6
居住国以外への商標出願数 (クラス数) 5 位→6 位 12.1 万件
1 位:中国、2 位:米国、3 位:ドイツ、4 位:英国、5 位: フランス
注: ※:研究開発費とは、ある機関で研究開発業務を行う際に使用した経費であり、科学技術予算とは異なる。予算については本編参照。
1) 日本の順位の変化は、昨年との比較である。数値は最新年の値である。
2) 論文数、Top1%・Top10%補正論文数、特許数以外は、日本、米国、ドイツ、フランス、英国、中国、韓国の主要国における順位である
>・ハイテクノロジー産業とは「医薬品」、「電子機器」、「航空・宇宙」を指す。
>・ミディアムハイテクノロジー産業とは、「化学品と化学製品」、「電気機器」、「機械器具」、「自動車」、「その他輸送」、「その他」を指す。
ハイテク産業では輸入超過、ミディアムハイテク産業では輸出超過となっていることが分かります。
★ 8月15,16日(火水)、藤井聡太王位に佐々木大地七段が挑戦する第63期お~いお茶杯王位戦七番勝負の第4局が佐賀県嬉野市「和多屋別荘」で行われ、挑戦者が勝利しました。これで藤井王位から見て3勝1敗です。まあ1敗くらいはし方ないですかね。第5局は1週間後の22,23日(火水)に徳島市「渭水苑」で行われます。次は防衛を決めていただきたいものです。
★★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス77
.i .abu facki lo du'u ri zvati lo clani je dziseldru kumfa noi se gusni fi lo se linji noi dandu lo drudi
そこは長くて天井の低い部屋で、天井からランプが一列にぶら下がって明るくなっていました。
facki : 発見する,x1は x2(命題)を x3(題目)について ;x1はx3(物)を見つける/探し当てる。-fak-, -fa’i-
zvati : 居る/在る,x1(物/事)が x2(事/所)に。本質的な所在でなく、一時的な所在。-zva-
je : かつ(英and)。接続詞(論理・後置・tanru)JA類
dziseldru : 天井の低い <- dzi+sel+dru, dzi<- dizlo, dru<- drudi
dizlo : 低い,x1は x2(照合枠)・x3(基点)において
drudi : 屋根/天井/屋上/蓋だ,x1は x2(本体)の。-rud-, -dru-
kumfa : 部屋/室だ,x1は x2(建物)内の x3(壁/天井/床)で仕切られた。-kum-, -ku’a-
gusni : 光だ,x(エネルギー)は x2(対象)を x3(光源)に基づいて;x3は x2を x1で照らす。
-gus-, -gu’i- x3は「ランプ」「太陽」など
linji : 線だ,x1は x2(点集合)の間の。-lij-, -li’i-
dandu : 掛かる/ぶら下がる,x1は x2(対象本体)・x3(対象箇所)に。-dad-
全体の主述語は facki で、そのx1が .abu 、x2が 抽象節 { .abu facki lo du'u ri zvati ~} です。
その意味は「アリスは自分が~にいることが分かった」、つまり「そこは~だった」となります。
代項詞 ri は、直前の項である .abu を受けています。
lo kumfa 「部屋」に前から { clani je dziseldru} 「長くて天井の低い」が掛かり、後ろから関係節 { noi se gusni … } が説明しています。
さらに、{ lo se linji } を、関係節 { noi dandu lo drudi } 「天井にぶら下がった」が後ろから説明しています。
kumfa 「部屋」は転換 se により gusni 「光」のx2、{ lo se linji } 「列」は項番明示 fi により同じくx3となっています。
出典は、