センター試験天文関係(2020) | 宇宙とブラックホールのQ&A

宇宙とブラックホールのQ&A

2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

例年通り、センター試験二日目(今年は1月19日(日))の理科・地学から天文関係を抜き出してみました。

 地学は、物理や化学と違って新聞には全く載りません。(マイナー科目の悲哀・・・)

 そのため、次の予備校サイトToshin.comから手打ちで写しています。

 https://www.toshin.com/center/

 ただ、図や画像はどうしようもないので、無理やり文章にしていますが、表現から答が分かってしまうものもあります(^^;

 図を見たい方は、予備校サイトの「センター試験2日目解答→理科2地学→問題」をご覧ください。

 解答編は後日掲載する予定です。(もちろん予備校サイトにはすでに載っています(^_^)

 

 

 

 理科1・地学基礎

 第3問 宇宙に関する次の問い(問1~3)に答えよ。

 

 問1 次の図1は、宇宙の誕生から現在を含む時間の流れを示したものである。この図に、最初の恒星が誕生したときと太陽系が誕生したとき、太陽が巨星(赤色巨星)になるときを描き入れると、それぞれa~fのどこに対応するか。その組合せとして最も適当なものを、下の(1)~(4)のうちから一つ選べ。なお、矢印の始点からそれぞれの記号を記した位置までの長さは、宇宙の誕生からそのときに至るまでの経過時間に比例しているとする。

 

  a   b c   d        e   f

 ┌────────┬───────→時間の流れ

 宇宙の誕生      現在

  図1 宇宙の誕生から現在を含む時間の流れ

 

   最初の恒星の誕生 太陽系の誕生 太陽が巨星になる

 (1)     a          c         e

 (2)     a          d         e

 (3)     b          c         f

 (4)     b          d         f

 

 問2 現在の宇宙にはさまざまな広がり(大きさ)の天体が存在している。次の画像a~cのそれぞれは、銀河群、星団、惑星状星雲のいずれかを撮影したものである。画像に示された天体の実際の大きさを、大きいものから小さいものへと並べたとき、その順序として最も適当なものを、下の(1)~(6)のうちから一つ選べ。

 

 (画像をみると、a星団、b銀河群、c惑星状星雲であることが分かります。)

 

  大きい←―→小さい 

 (1)  a  b  c

 (2)  a  c  b

 (3)  b  a  c

 (4)  b  c  a

 (5)  a  c  b

 (6)  c  b  a

 

 問3 太陽系には、さまざまな質量や密度の惑星がある。地球と木星、天王星の三つのなかで、質量が最も大きい惑星と平均密度が最も大きい惑星の組合せとして最も適当なものを、次の(1)~(6)のうちから一つ選べ。

   質量が最も大きい惑星 平均密度が最も大きい惑星

 (1)    地  球          木  星

 (2)    地  球          天王星

 (3)    木  星          地  球

 (4)    木  星          天王星

 (5)    天王星          地  球

 (6)    天王星          木  星

 

 

 

 理科2・地学

 第4問(必答問題)  恒星と星団に関する次の会話文を読み、下の問い(問1~5)に答えよ。

 

 ムサシ:夜空にはさまざまな明るさや色の恒星があるけど、何が違うの?

 サクラ:恒星の見かけの明るさは、絶対等級と(a)恒星までの距離が関係するよ。恒星の色は(ア)と関係していて、それがスペクトル型の違いになるのよ。 絶対等級とスペクトル型からHR図をつくると、HR図中の恒星の位置から(b)その恒星の進化段階を推測できるわ。明るい恒星のHR図(図1)と太陽付近の恒星のHR図(図2)を調べてみようか。

 ムサシ:どちらのHR図にも、いろいろなスペクトル型の恒星があるね。ただ太陽付近の恒星のHR図には暗い恒星が多く、列のように並んだよ。

 サクラ:この列の並びは、恒星の質量と関係するわ。恒星の進化は質量によって違い、質量が(イ)恒星は進化が速いのよ。

 ムサシ:じゃあ同時に生まれた星の集団のHR図は、進化とともに変わるの?

 サクラ:そうね。そして星団の色は、星団中の明るい恒星の色で決まるよ。

 ムサシ:プレアデスが青っぽく見えるのは、明るい恒星が青く、(ウ)星団だからかな?

 サクラ:そのとおり。

 

 図1、図2ともに、縦軸が絶対等級で上から-10~20、横軸がスペクトル型で左からOBAFGKM

 図1 明るい(見かけの等級が小さい)恒星のHR図  すべて絶対等級が5より上に位置、WがスペクトルB、Xが同G、Yが同Mのあたり

 図2 太陽付近(太陽からの距離が5パーセク以内)にある恒星のHR図  主系列星のラインがあり、その下絶対等級10~15、スペクトル型B~Fあたりに白色矮星が分布し、後者のAとFの間にZが位置する。

 

 問1 前ページの会話文中の(ア)~(ウ)に入れる語の組合せとして最も適当なものを、次の(1)~(8)のうちから一つ選べ。

      ア    イ    ウ   

 (1) 平均密度 大きい 若い

 (2) 平均密度 大きい 年老いた

 (3) 平均密度 小さい 若い

 (4) 平均密度 小さい 年老いた

 (5) 表面温度 大きい 若い

 (6) 表面温度 大きい 年老いた

 (7) 表面温度 小さい 若い

 (8) 表面温度 小さい 年老いた

 

 問2 前ページの会話文中の下線部(a)に関連して、太陽からの距離が5パーセク以内にある恒星の距離の推定に使われる観測・方法として最も適当なものを、次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

 (1) 変光周期と光度の関係

 (2) ケプラーの第二法則

 (3) 赤方偏移

 (4) 年周視差

 (5) 超新星の光度

 

 問3 136ページの会話文中の下線部(b)に関連して、太陽は現在から約60億年後まで、HR図上でどのように進化するか、136ページの図1と図2に示した W~Zを進化の順序で並べたとき最も適当なものを、次の(1)~(4)のうちから一つ選べ。

 

 (1) W → X → Y

 (2) W → Y → Z

 (3) X → W → Y

 (4) X → Y → Z

 

 問4 ムサシは136ページの図1と図2をもとに考察を行い、二つの図から読み取れることがらを次の文a・bにまとめた。文a・bの正誤の組合せとして最も適当なものを、下の(1)~(4)のうちから一つ選べ。

 

 a 明るい恒星のなかには、太陽の0.01倍以下の半径をもつ恒星は存在しない。

 b 太陽付近には、太陽より質量の小さい恒星が、質量の大きい恒星より数多く存在する。

 

    a  b 

 (1) 正 正

 (2) 正 誤

 (3) 誤 正

 (4) 誤 誤

 

 問5 太陽の黒点では、明るさ(単位表面積から毎秒放射されるエネルギー量)が、周囲の光球より暗いことから、黒点の温度は周囲に比べて約2000K低いと考えられている。この温度の違いから、シュテファン・ボルツマンの法則を用いて明るさの比を推測してみると、黒点の明るさは周囲の光球の約何倍であるか。その数値として最も適当なものを、次の(1)~(4)のうちから一つ選べ。ただし、周囲の光球の温度を6000Kとする。   単位:倍

 

 (1) 0.01    (2) 0.2    (3) 0.4    (4) 0.7

 

 

 第5問・第6問は、いずれか1問を選択し、解答しなさい。

 第6問(選択問題)  宇宙に関する次の問い(A・B)に答えよ。

 

 A 地球の運動や太陽系に関する次の問い(問1・問2)に答えよ。

 

 問1 地球の自転軸に垂直な面(赤道面)は、地球の公転面に対して約23.4°傾いている。仮に、この傾きがなくなり、地球の赤道面が公転面に一致した状況を考えてみよう。この状況において起こると考えられる現象として最も適当なものを、次の(1)~(4)のうちから一つ選べ。ただし、地球の赤道面と公転面がなす角度以外は変わらないものとする。

 

 (1) 視太陽時と平均太陽時の差(均時差)がなくなる。

 (2) 太陽を基準とした1日(1太陽日)が恒星を基準にした1日(1恒星日)と一致する。

 (3) 東京で1月1日に観測する太陽の南中高度が70°を超えるようになる。

 (4) 天球上での太陽の通り道(黄道)が天の赤道と一致する。

 

 問2 次の図1は、太陽系の惑星の特徴を、地球の値を1としたときの相対値で表したグラフである。横軸と縦軸はそれぞれ何を表しているのか。その組合せとして最も適当なものを、下の(1)~(4)のうちから一つ選べ。

 

 図1 太陽系の惑星の特徴 白抜きの丸は地球を表す。

 原点は縦軸横軸ともに0、縦軸が下から0.0~1.2、横軸が左から0~12の横長のグラフ。左側、縦軸の近くに地球型惑星が4個、うち1つは白抜き。縦軸0.3以下、横軸4~12の範囲に木星型惑星4個。

 

    横軸    縦軸  

 (1) 半径    平均密度

 (2) 半径    自転周期

 (3) 公転周期 平均密度

 (4) 公転周期 自転周期

 

 B 銀河系と宇宙に関する次の文章を読み、下の問い(問3・問4)に答えよ。

 天球に関する情報をグラフにすることで、歴史上の重要な発見を自分で確かめることができる。たとえば、(a)銀河系における球状星団の分布を調べ、太陽系がその中心からはずれた位置にあることを明らかにしたシャプレーの発見は、球状星団の分布をグラフで図示することにより確認できる。また、(b)ハッブルが発見した宇宙膨張の法則もグラフで確認できる。

 

 問3 上の文章中の下線部(a)と(b)のそれぞれについて述べた次の文a・bの正誤の組合せとして最も適当なものを、下の(1)~(4)のうちから一つ選べ。

 

 a シャプレーの発見を確かめるグラフでは、太陽系から銀河系中心に向かう方向の座標と、銀河面に対して垂直な方向の座標をとり、銀河系の断面図で球状星団の分布と太陽の位置を比較する。

 b ハッブルの発見を確かめるグラフでは、さまざまな銀河までの距離とその見かけの明るさを図に記入し、各データ点の分布を最もよく表すような直線をひいてハッブル定数を読みとる。

    a  b 

 (1) 正 正

 (2) 正 誤

 (3) 誤 正

 (4) 誤 誤

 

 問4 膨張する宇宙に関連して述べた文として最も適当なものを、次の(1)~(4)のうちから一つ選べ。

 

 (1) ビッグバンの後、宇宙の膨張とともに温度が下がったので光が直進できるようになった。

 (2) ビッグバン宇宙モデルの証拠の宇宙背景放射は、強い電波を放射している銀河(電波銀河)に由来する。

 (3) 宇宙の膨張は、ダークエネルギーにより徐々に減速されている。

 (4) 現在の宇宙に存在する酸素のほとんどは、ビッグバンと同時につくられた。