東京でも冬日になるなど寒い日が続きますが、皆さまインフルエンザやノロウィルスにやられたりせずにお元気でお過ごしでしょうか。
二十四節気では小寒と大寒の期間が「寒」、つまり一年で最も寒い時期とされます。
(二十四節気は、その始まりの日を指す場合と、その日から次の節気の始まりの日の前日までの期間を指す場合とがあり、この場合は後者です。)
今年は、小寒(の始まり)が1月5日、立春が2月4日なので、1月5日~2月3日の30日間が寒です。
ただ、実際の気温の年間変化が本当にそうなっているかは、データで確認する必要があります。
手元の理科年表によると、旬ごとの東京の平均気温は、1981~2010年の30年間平均で次のようになっています。
気温の半旬別平均値
. 半旬 平均気温 二十四節気 .
12月1~5日 9.3℃ 大雪(12/7)
6~10 8.6
11~15 7.9
16~20 7.2
21~25 6.7 冬至(12/21)
26~31 6.2
1月 1~5 5.6 小寒(1/5)
6~10 5.4
11~15 5.2
16~20 5.0 大寒(1/20)
21~25 4.9
26~31 4.9
2月 1~5 5.1 立春(2/4)
6~10 5.5
11~15 5.7
16~20 5.9 雨水(2/18)
21~25 6.1
26~29 6.5
(注) 二十四節気の日付は、12月は2016年のもの、1~3月は2017年のものである。
東京の平均気温を半旬ごとにみる限り、一年で一番寒いのは1月下旬、次いでその前後となっており、二十四節気とおおむね一致しているようです。
30年間の統計の平均ですから、今年がまたそうなるとは限りませんが、残念ながらまだまだ寒さは続くと考えるのがよさそうです。
(なお、気温の動きは地域ごとに異なるので、上で示したのはあくまでも東京のものだということにご注意ください。)
春が待ち遠しいこの頃ですが、いつから春になるのでしょうか?
二十四節気でいえば、立春が2月4日なので、その日からということになりそうです。
先に見た気温の変化からも、それはいえそうです。
しかし、一方でわれわれはすでに元旦の年賀状で「新春のお喜びを申し上げます」と挨拶していますよね。
その意味では元旦から春になったといえそうです。
あれ、どっちなのかな?
明治の初めに太陽暦が採用されるまで使っていた旧暦では、今の暦よりもおよそひと月後にずれていました。
たとえば、今年でいえば、旧暦の元日は1月28日です。
これであれば、ずれは数日しかありませんが、旧暦は二十四節気に合わせて月を設定しているので、実は当然です。
一年で最も昼が短く夜が長いのは、冬至のときです。
一陽来復(いちようらいふく)という熟語があって、これは易 (えき) で、陰暦10月に陰がきわまって11月の冬至に陽が初めて生じることから、冬至を意味します。
昨年の冬至は12月21日でした。
冬至から日が伸び始めるというのであれば、冬至あるいはその翌日から春が始まると考えることもできそうです。
Wikiによれば、降誕祭としてのクリスマスが12月25日になったのは、「ミトラ教の冬至の祭を転用したものではないかと言われている」とのことです。
現在の暦の元日(1月1日)の設定は、国立天文台のサイトによれば「古代ローマ時代の暦の上で、(k:農業ができないために)名前もついていなかった冬の期間の前半がIanuarius (January)と呼ばれるようになり、それがいろいろな変更を経ながらも現在まで続いてきたという、長い歴史的経緯で決まったもの」とのことです。
http://www.nao.ac.jp/faq/a0307.html
以上から、元旦は「光の春」の始まりといえるでしょう。
これに対し、気温が上がり始める時期に当たる立春は「気温の春」の始まりといってよいと思います。
気温の動きは、昼の長さの動きに遅れるので、「光の春」と「気温の春」にずれが生じるのですね。
なお、純粋な太陰暦であるイスラム暦を除けば、太陽の動きに基づく一年の始まりは「光の春」か「気温の春」に設定するのが一般的だと思います。(イスラム暦では、平年が354日なので、年の始まりは太陽暦でみると毎年移動します。)
(反例、つまり北半球で一年が春から始まらない暦をご存知の方は、ご一報いただければ幸いです。)