次世代有人潜水船、南極基地接岸成功ほか | 宇宙とブラックホールのQ&A

宇宙とブラックホールのQ&A

2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

別々の三つの話題です。

1.深海底に滞在可能、2本の腕を持つ有人潜水船
読売新聞12月30日付記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131229-OYT1T00885.htm

概要>地球で最も深い海底まで潜れる次世代有人潜水船として、海洋研究開発機構などが2023年ごろの就航を目指す「しんかい12000」の概要が明らかになった。

2023年であれば、9年先ですね。

>世界最高の潜水調査能力に加え、深海底に数日滞在できる居住性が特徴だ。

日本は四方を海に囲まれた海洋国家なので、「世界最高の潜水調査能力」は必要だと思います。
また、これほどの深海底だと一度浮上してからもう一度同じところに戻るというのも大変でしょうから、「深海底に数日滞在できる居住性」も重要です。

>しんかい12000は、文部科学省が今年5月、開発の優先度が高い国家基幹技術に位置づけた。現行の有人潜水船しんかい6500の2倍近い深さ1万2000メートルまでの水圧に耐える構造を持ち、マリアナ海溝にある1万911メートルの世界最深部まで余裕を持って調査できる。

しんかい6500は1989年に完成し、2007年に通算1000回目の潜航を達成するなど運用実績があります。

世界で最も深いのは日本海溝ではなく、その南のマリアナ海溝で、フィリピンプレートの下に太平洋プレートが潜り込んでいます。

東日本大震災の震源などを探るためにも、こうした潜水船は必要でしょう。

>同機構の基本デザイン案によると、全長は12~15メートル。2本の腕(マニピュレーター)や高精度カメラを船外に持ち、球形の耐圧カプセルを複数つないだ広い船室を観測用と、食事や就寝の居住用に使い分ける。操縦士2人と研究者2人が搭乗、深海に2~3日間滞在できる。

深海は宇宙と比べても研究・開発が遅れています。
日本はこの分野で世界の最先端を目指すべきだと思います。


2.船首で2227回氷割り「しらせ」昭和基地接岸
読売新聞1月5日付記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20140105-OYT1T00462.htm

>南極・昭和基地に向かっていた観測船「しらせ」(1万2650トン)が日本時間の4日午後、3年ぶりに基地への接岸に成功した。
>文部科学省が5日、発表した。しらせは雪や厚い氷に阻まれ、一昨年から2年続けて接岸を断念しており、基地では燃料不足が深刻化していた。
>しらせは今回、船首を海氷に乗り上げて割りながら進む手法を2227回繰り返して前進、接岸にこぎつけたという。今後、越冬観測用の燃料や食料などを基地に運び込む。

3年ぶりの成功ですか。
一昨年、昨年と接岸断念が伝えられ、このままでは昭和基地縮小・撤退に向かうのではないかと危惧していましたが、本当によかったです。
昭和基地の隊員の方々も一安心でしょう。

最近のニュースでは、ロシア、中国など他の国々の船も南極周辺で氷に阻まれてトラブルが生じているようですから、そのなかでの「しらせ」の接岸成功には価値があると思います。


3.宇宙と行き来するエレベーター、中高生ら熱い視線
読売新聞1月8日付記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20140108-OYT1T00786.htm

概要>海外旅行に行く気軽さで、宇宙に出かけたい――。
>これまで絵空事で片づけられていた宇宙エレベーターが思わぬ広がりを見せている。小型模型を使った実験競争が熱を帯び、教科書の題材にも登場。「理系人気」に乗って、中高生らを引きつけている。

読売の記事には写真と図解も載っています。

>千葉県船橋市の日大習志野高校で昨年12月に開かれた宇宙エレベーターの開発イベントに参加したのは、高校生3チームと大学生1チーム。高度50メートルの高さに浮かべた気球からロープを垂らし、エレベーターに見立てた車輪付きの小型模型を上下させる性能を競った。成功したのは三重県の工業高校チームで、イベントを開いた「宇宙エレベーター協会」の大野修一会長(45)は「子供たちの熱意がすごい」と目を細めた。
>宇宙エレベーターは「宇宙旅行の父」として知られるロシアの科学者ツィオルコフスキーが19世紀末にまとめた理論に基づいている。アーサー・C・クラークのSF小説などにも登場し、ロケットより安全で低コストという利点はあるが、課題は軽くて丈夫なケーブルの実現。1990年代に「カーボンナノチューブ」が開発され現実味が増し、東京スカイツリーを建設した大手ゼネコン「大林組」が2012年に構想を打ち出すと一気に注目が集まった。
>中でも熱い視線を向けるのが中高生たちだ。理系人気の高まりを背景に、昨年11月には東京都北区で、中学、高校の理数系教員らが中心となって中高生向けのイベントが行われた。14年からは神奈川県と神奈川大が共催で、県内の高校生向けイベントを開く予定だ。
>学校教材にもお目見えし、新興出版社啓林館(大阪)が高校英語の教科書で「Space Elevator(宇宙エレベーター)」を取り上げると、三省堂(東京)も来年度の教科書で題材に使用を決めた。同社の担当者は「生徒たちが宇宙に目を向けるきっかけになれば」と語る。
>日米両国で開発競争も進み、昨年8月に静岡県富士宮市で開かれた競技会では、高度1100メートルの世界記録も生まれたが、それでも実現にはまだ数十年かかる見通しだ。大林組で構想をまとめた石川洋二・上級主席技師(58)は、「若い世代が中心となって開発を担ってほしい」と期待を寄せる。
>研究を進める日大理工学部の青木義男教授(56)は、「実用化を目指す過程で、社会に役立つ新技術も生まれるはず。日本の技術革新を支えるためにも、挑戦する若者を育てていかなければ」と語った。
>【宇宙エレベーター】 静止軌道上までいけることから「軌道エレベーター」と呼ばれることも。大林組の構想では、エレベーターの「かご」に当たる部分は約30人乗りで列車程度の大きさ。時速200キロで上昇し、高度3万6000キロの静止軌道ステーションに1週間かけて到達する。

宇宙へのアプローチもロケットだけでなく、他の方法があってもよいでしょう。
夢のある話だと思います。


★ まだまだニュースがありますが、明日以降に回します。

★★ 真冬の寒さが続き、北日本・日本海側では大雪も降っているようです。
皆さま、体調など壊さずにこの冬を乗り切りましょう。