最近の科学ニュースから | 宇宙とブラックホールのQ&A

宇宙とブラックホールのQ&A

2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

1.「あかつき」金星軌道投入失敗の原因は、逆止弁に塩
サイエンスポータルの7月1日付記事です。
http://scienceportal.jp/news/daily/1107/1107011.html

>金星探査機「あかつき」が昨年12月金星に近づきながら周回軌道投入に失敗した原因は、燃料と酸化剤の反応で塩(硝酸アンモニウム)が生成し、逆止弁を閉じた可能性が高いという調査結果を宇宙航空研究開発機構がまとめ、6月30日宇宙開発委員会に報告した。

大新聞のニュースではこの点はあまり触れられていません。
科学部の記者にとっても、JAXAの発表を噛み砕いて説明するのが難しいからでしょう。
元は6月30日にJAXAが宇宙開発委員会に報告した次のpdfです。
http://www.jaxa.jp/press/2011/06/20110630_sac_akatsuki.pdf

この14ページに化学反応式が出てくるので、写しておきます。
   6N24 + 3N24 → 4NH4NO3+2N24+3N2   塩(硝酸アンモニウム)生成反応
   6N24 + 3N24 → 9N2+12H2O             通常の燃焼反応
左辺第1項が燃料のヒドラジン、第2項が酸化剤です。


2.恐竜博、東京・上野で開会式
朝日新聞7月1日付記事です。
http://www.asahi.com/science/update/0701/TKY201107010462.html
>最新の恐竜研究を紹介する「恐竜博2011」(朝日新聞社など主催)の開会式が1日、東京・上野の国立科学博物館であった。全身の色がわかった羽毛恐竜アンキオルニスの実物化石など、貴重な標本約90点が展示される。一般公開は2日から。

「有名な恐竜でも毎年のように重要なことがわかってくる。ここ5年の様々な研究を総覧できる博覧会です」とのこと。
>全長10メートルのティラノサウルスと全長6メートルのトリケラトプスの復元骨格が対決するように向き合う展示コーナー
が売りのようですね。


3.7月4日、地球と太陽の距離が最大に
ナショナル・ジオグラフィックの7月1日付記事です。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110701001

>楕円形の軌道を公転する惑星は、毎年、太陽に最も近づく近日点と最も遠ざかる遠日点を通過する。7月4日に地球は遠日点を迎え、太陽から1億5210万2196キロまで遠ざかる。近日点通過は1月3日で、1億4959万7870キロまで接近した。

地球の遠日点通過は年に1回必ず起こる現象ですが、春分、夏至などの二至二分と比べて知名度が低いですね。
たまたま北半球の夏に地球が太陽から一番遠くなるのですが、知らないと分かりづらいかと思います。


4.小惑星:「GANBAROU」
毎日新聞7月3日付記事です。
http://mainichi.jp/select/science/news/20110703ddm041040089000c.html

>高知市のアマチュア天文家、関勉さん(80)が、22年前に発見した小惑星を「GANBAROU(がんばろう)」と命名し2日、国際天文学連合小惑星センター(米スミソニアン天文台)から認定された。

>小惑星「GANBAROU」は89年、大震災と同じ3月11日に発見され、確認順の「2万9157番」と表記されていた。直径約4キロ、明るさは17等級で地球から約2億2500万キロの位置にある。今年は7月下旬~10月、南方向のやぎ座の中で西に移動する姿を観測できる。地球に最も近づくのは8月17日午後9時50分ごろ。ただ、肉眼では見えず、口径20センチ以上の天体望遠鏡が必要という。

彗星発見で何十年も昔から有名な関さんですね。