天文・宇宙の俳句・短歌から | 宇宙とブラックホールのQ&A

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2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

この週は朝日、読売とも該当する作品はありませんでした。

NHK俳句王国2010年1月22日(土) 主宰者:黒田杏子
毎週土曜の午前中に放映している番組ですが、いつも見られないので、私の解釈はかなり的を外しているかもしれません。

 兼題:冬銀河
   冬銀河行最終列車発射ベル          黒田 杏子ももこ
・夜中のホームに立っての幻想でしょうか。一度乗ってみたいものですが、帰ってこられないかも(^_^

   冬銀河誰も乗らざる扉(と)がひらく      (長野県) 櫻井 京子
・乗降客のいない夜のローカル列車。無人のホームに降りれば冬銀河もきれいに見えそうです。

 自由題
   崩れたる砂の城より冬の月          (宮城県) 沢邉 美穂
・昼間子どもの作った砂の城も夕方までには壊れ、その向こうから冬の月が昇ります。一月前であれば、12月21日の満月前後でしょう。

 黒田杏子の10選
   狐火に海山迫る星ざんざ           (東京都) 此花 はるか
・狐火のようないくつもの灯火が砂浜の海岸線に沿って動くのが見え、山が海に突き出している方へ少しずつ遠ざかっていきます。その上には冬の星々が賑やかに瞬いています。
「ざんざ」については次の道浦俊彦さんのサイト「ことばの話」の1664「さんざめく」が参考になりました。
http://www.ytv.co.jp/announce/kotoba/back/1601-1700/1661.html

産経新聞2010年1月27日(木)
「芸術と地球」欄
   逢ひたくて身を反らしみる天の川      中川 節女
・逢うために身をそらさなければならないということは、ふだんはありませんね。星を見るのがお好きな方なのでしょう。

   渦巻ける銀河の果てにわが住める地球浮くという講義きく夕
                              佐藤 和子
・銀河系について初めて聞いた驚きを表現した歌。いい歌だと思います。
でも、私など天体が「浮いている」のは当たり前だと思うのですが、それだと詩歌にはならないのかな(^^;

   磐梯の切っ先灯す春の星          伊藤 霞城
・磐梯山は福島県北部の山。民謡でも歌われています。「切っ先」は稜線の意味かと。

   流れ星油紋の海は見ずに飛ぶ       木村 千草
・原油流出で汚染された海の上を、何も意識しないかのように流れ星が飛びました。