時空の次元数について3 | 宇宙とブラックホールのQ&A

宇宙とブラックホールのQ&A

2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

時空の次元数について1 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

時空の次元数について2 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

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 3.時間はなぜ1次元なのか?


この節では、n+m次元時空の世界が空間次元の数nがいくつであっても時間次元の数m=1である場合にのみ観測者をもつことができる理由を示す。
偏微分方程式の双曲的性質を論じる前に、時間の次元数について二、三のコメントをしておこう。

時間次元が複数ある(m>1)多様体において観測者はどのように世界を見るか?
時間次元が複数でも、観測者は時間を1次元と知覚すると思われる。(訳注:原文は二重否定)
観測者が局所化された物体ならば、その物体はn+m次元時空多様体の中を本質的には1次元の(時間的)世界線に沿って運動するだろう。
その物体の固有時に関する標準的な一般相対論的観念は、完全に明確に定義されており、
もし時計があれば時計によって計られる時間、そして主観的に経験される時間もこの固有時である。

それにもかかわらず、世界の多くの側面はまったく異なるようにみえる。
たとえば、このより一般的な場合における相対論的力学によれば、エネルギーはいまや定数(訳注:「単一の数」の誤りか?)ではなくm次元ベクトルとなり、その方向が多数の時間次元の中で世界線が続くであろう方向を決定する。
そして非相対論的極限では、その方向は運動の定数である。
別の言い方をすれば、異なる時間方向に動いている2人の非相対論的観測者がたまたま時空のある点で出会っても、彼らは再び異なる時間方向に別れてしまい、一緒に留まることは不可能であろう。

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時空の次元数について4 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)
 

★短いですが、今回はここで切ります。
時間次元が複数あるというのはどういうことか、私が想像するときに一番分からなかった点をうまく説明してくれています。
一般相対論なんだから、とにかく世界線を考えればよいということです。
後はその応用問題です。
もちろんそれを具体的に想像するのはやっぱり難しいですけど(^^;