極楽征夷大将軍 | 明日こそスキップ

明日こそスキップ

独断と偏見の読書感想とひとりごとを書いてます

 

 

第169回 直木賞 受賞作
やる気なし 使命感なし 執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?
動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし

幕府の粛清から足利家を守ろうとする

やがて後醍醐天皇から北条家討伐の勅命が下り

一族を挙げて反旗を翻した一方

足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする

後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ

怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める
混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が

何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の

秘密を解き明かす歴史群像劇

   (あらすじより…)

 

 

audibleで聴きました!

全部で三十時間越えということで躊躇したのですが

他にそそられる作品がなかった時に

ちょっとだけ聴いて面白くなかったらやめよう!

と言う軽い気持ちで聴き始めたらハマってしまい…

諸事情でなかなか聴けない時があったので

結局三月の初めから一月半以上かかりましたが完走しました!

先日ライブ前にグッズ買うのに一人で三時間並びましたが

これを聴いていたので退屈せずに済みました(笑)

 

昨年ハマっていた大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」の時代から

百年とちょっと経ったくらいで

まだ北条家が権勢を奮っていた頃から始まるので

まるでドラマの続きを見ているよう…

妾腹で一族から顧みられていなかった足利尊氏と弟の直義

そして足利家の家宰である高師直の3人を主軸にするお話ですが

途中、後醍醐天皇が出てきたあたりから

合戦に次ぐ合戦が長々と続いて

ちょっとお腹いっぱいになった時期もありました…

 

後醍醐天皇ったら天皇なのに誰よりも権力に執着してて

叩かれても叩かれても不死鳥のように蘇るんですよね…

歴史に疎い私にはこんな人だったんだ!とびっくり!

あと楠木正成の戦上手にも唸りました…

先日まで今村翔吾さんが新聞小説で楠木正成のお話を書いてて

最初の方で天皇のために蜂起する場面だけ読んで脱落していたのですが

思い出して少し前に新聞を開いてみると

高師直が出てきて、お〜っ!とテンションアップ(笑)

 

後半では人望はあるけれど政治手腕や意欲にかける尊氏のために

協力して事にあたっていた直義と師直が少しずつすれ違っていき

二人とも私利私欲で動いているわけでもないのに

家臣たちも二手に分かれてしまうわ

足利家の血縁者同士で争いになってしまうわ

敵味方が寝返ったり裏切ったり

やりきれない展開が続いていって目が離せない…

いきなりショッキングな展開だと辛いので

時々史実を読んで予習しながら完走しました!

 

今は壮大な大河ドラマを見終わったような脱力感!

そりゃあ、三十時間超えですから(笑)

これだけ聴いているうちに

audibleで是非聴きたい作品もいくつか増えました!

まだちょっと忙しくて本調子では聴けないけれど

少しずつ現代に戻っていきたいと思います!