語字熟語 39 | おととひの世界

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リンクも始めましたよ

ゴジラ対やくざ

ゴジラ対メカヤクザ

メカヤクザの逆襲

・・・まだ小学生のガキだった時分に
授業中、大学ノートに一生懸命プロット
考えてましたよ。

・・最後に見に行った
東宝の前期ゴジラシリーズが
「ゴジラ対ガイガン」・・・同級生と
みたんですが子供の間でも
ブーイングの嵐。

・・あのころすでに
東宝は子供ナメるように
なってましたね。

いま時分のマクドナルドが
そうだけど
エントリーユーザーを
軽く見るようになると、
その会社が落ち目になるの

アッという間ですよ。

深作欣二さんという大監督。

「トラ!トラ!トラ!」という真珠湾攻撃
ネタの超大作映画で、
当初の黒澤明監督が降板。
アメリカ編がリチャード
・フライシャー監督。
日本部分が
共同監督ですが深作さんという形。

・・あれが最初に注目された映画じゃ
なかった?・・東映の高倉健と
鶴田浩二による王道任侠映画が
高倉さんの降板で終わり、

入れ替わり
あの「仁義なき戦い」が始まった。

・・・仁義のために戦うのが健さんと
鶴田さん。

・・しかし仁義なき戦い・・は、
組織の上に立つものが
徹底的に汚いやつ。

下の者が常に犠牲の代理戦争を
やらされる。

・・・「仁義なき戦い・代理戦争」。

映画が始まってのっけから
かなり延々と
ヤクザとは何の関係もない話が・・。

当時はアメリカ対ソビエト連邦の
代理戦争・冷戦・コールドウォーの時代。

ベトナム、ラオスも
カンボジアも地獄。
ヤクザ映画の冒頭に
そんな話が続く。

・・要するにヤクザ出入り
も同じ話だと。
ろくでなしの汚い親分が
たくさんいて
鉄砲玉として犠牲になるの
いつも下っ端。

あのシリーズが言いたかったことは
まさにそれなわけで・・。
それがあの時代の
いわばリアルだった。

・・役所だろうが
企業だろうがヤクザだろうが・・。

・・・あの映画はそれでウケたんです。

菅原文太さんの怒りは敵に向いたもの
ではない。・・味方の親分です。

まあ直接的には田中邦衛さん。
田中さん自身はとても良い方ですが
あの作品では徹底的に悪役。

・・・ヤクザ対警察みたいな
まんまのタイトルの映画もあったかな?

よく覚えているのは
「ダイナマイトどんどん」という作品。

・・・北九州や小倉の兵隊たちが
広島の兵隊と並んで戦場ではやたらに
強かった。・・喧嘩上等の土地柄です。

・・・もともと喧嘩っ早い連中が戦地帰り。
もう手がつけられん乱暴者に。単なる
ドンパチではなくて、白昼街中で
ダイナマイトを投げ合うという
喧嘩をやる。・・無茶苦茶な話ですが
全部実話だったらしい。

・・ヤクザが
子供に野球を教えながら
ダイナマイトの投げ方も教えている。
・・ともかく
ちょっとありえないアナーキー映画。

・・・昭和40年代後半から50年代前半。
あの時代の映画は面白かった。
一方で
永田雅一の大映倒産。
ガメラも大魔神も
製作打ち切り・・。ギララ、
大巨獣カッパ・・。いずれも
東宝ゴジラシリーズの敵ではなかった。

・・・完全な残存効果でゴジラ1強時代。
もうそこからは堕落の一途でしたね。

・・・ヤクザは前近代、
警察こそ近代権力
の象徴です。前近代ⅤS近代の戦いが
OKならば、前近代ⅤS中生代の戦いも
OKでしょーよ。

・・テキ屋の寅さんも
ある意味前近代の人だけど、

寅さんが
ゴジラと戦うというのは絵にならない。

・・・敵は古代の生命力の象徴ゴジラ。
対する近代権力と前近代権力、
どっちが強いのか?

・・単純にそれが見たかっただけ。
警察も自衛隊もやられちゃったら
ゴジラと戦えるのはヤクザしかいない。
・・・そう思って考えてました。

その後怪獣映画はひたすらオタク化の
方向に向かった。・・オタク化
=小状況化です。・・ひたすら微細な
小状況に拘泥するというのが
オタクの特徴でしょ?

・・兵器の話
武器の話とかね。・・それじゃあ
近代的権力が壊滅しちゃったら
アウトですよ・・。最悪そうなったら
前近代的生命力に頼るしかない。
・・・それこそがヤクザなんです。

悪というものは没価値的な生命力です。

この1点においてヤクザとゴジラは
等価なんですよ・・。

そういう視点で
深作さんあたりがやったら
面白かっただろうと・・。あの人
SF特撮1発当てたいっていう野心
最後まで持ってましたからね。

・・・おそらくエイリアンだって
近代権力型のやつと前近代権力型の
やつがいて・・大昔から血で血を洗う
大戦争やったに決まっている。

その手の話の古株が聖書だし
新しいところではスターウォーズ
だろうと・・。

スターウォーズ見て
深作さんさぞ悔しかったんじゃない
ですかね?・・ああいうものこそ
本当は作りたかったはずなんですよ。

・・・ジョージ・ルーカス、最近
シリーズ制作権を譲っちゃいましたね。

つまらなくなることはないにしても
一時代が終わったと言うしか・・。

・・・プロデューサー兼監督。
あの映画は巨大の自主映画だった。
だからこその面白さだったんです。

「仁義なき戦い」シリーズもちょっと
似たところがあった。・・あれくらい
監督がやりたい放題やった映画
初期の黒沢映画ぐらいですよ。

・・・ゴジラ対やくざ。
深作欣二作品チームには

松方弘樹という、
何度殺されても
次回作で必ず生き返るという最終兵器。

ミステロンというエイリアンの
ロボット光線を浴びて不死身になった
キャプテンスカーレット
みたいなキャラ。

・・・人間サイドの最後の希望です。
シリーズでは最後に彼が
やっつけてくれる。

・・スペースヤクザあやつる
メカヤクザには
ゴジラに加勢して戦う。

・・仁義なき
ではなくなるわけです。

平和ボケした
サクラダデコスケ
なんぼのもんじゃい!!

と叫びつつ
ゴジラに立ち向かう松方弘樹。

個人的にはちょっと見たかった。