慢性的な痛みと脳の関係
次に、慢性的な痛みと脳の関係を3つに分けてお伝えします。
1.「痛み」がストレスになる
タンスの角に足の指をぶつけたことは、ありますか?
とても痛いですよね。
でも、どれだけ痛くても骨折していない限り病院にいく人は少ないと思います。
放置しても治ると分かっているからですね。
腰痛、頭痛などの痛みで病院に行く時の理由は2つだと思いませんか?
・痛くて生活に支障がある
・痛くて不安になっている
皆さんは、幼い頃に転んで足にケガをして泣いていたら
「痛いの痛いの飛んでけー」
と優しいお母さんに言ってもらったことはないですか?
すると「大丈夫」と安心出来ましたよね。
また、腹痛で病院を受診して食後に飲む薬を処方された。
病院を出る時には、まだ薬は飲んでいないのに腹痛が楽になっているみたいな経験ないですか
この仕組みを考えてみます
私たちの脳の中には、痛みを和らげるためのホルモンがあります。
このホルモンが出ると
自然に痛みが和らぎます。
すると自然治癒力が働きやすくなって、
いつの間にか治っていきます。
このホルモンが出るには安心が効果的です。
お母さんの言葉や医師の診察は安心させてくれたんですね
しかし、ストレスが強いと痛みを和らげるホルモンが出なくなってしまいます。
慢性的な痛みに悩んでいる患者さんには、
1日中痛みのことを気にしている方が大変多いです。
中には、朝起きるとすぐにどこが痛いかを確認している人もいます。
なかなか治らない痛みに苦しんでいる人は
痛み自体がストレスになって、痛みを作ってしまっていることが大変多いです。
まずは痛みから生まれる不安を癒していく。
不安からの脳疲労を回復させる
それだけで痛みも軽くなって治りも早いです
2.「痛み」に対する思い込みが強い
整形外科の分野では、痛みの原因についてレントゲンなどの画像診断が多く用いられます。
加齢などで骨の変形が発見されて
「これは年齢のせいだからもう治らない」
と言われてしまうと、患者さんも治らないと思い込んでいることは多いです。
実際の患者さんで「私は重い物を運ぶ時に腰の骨が砕けるのです」
と信じて疑わない人もいました。もちろん骨粗しょう症ではありません。
医学的には考えられないことですが、本人の腰痛はその度に悪化していきます
「骨が砕けるなら治療出来ません。」と伝えると
「いえいえ、嘘です」と患者さん。
「いいえそう言いましたから」「そんなー先生、みて下さい」
「骨が砕けるんでしょう」
「砕けません」
「本当に?」
「本当です!!」
彼は、「骨が砕ける」とかなりリアルに思い込んでいました。
それくらい痛みが強かったのです。
でも思い込みを手放して痛みは改善しました。
「〜だから治らない」
という不要な思い込みを持ってしまうことが「脳疲労」です。
脳疲労を回復させると
痛みは改善していきます。
3.痛みにメリットがある
痛みによってもたらされる満足や利益がある場合、
本人は「治りたい」と思っていても
潜在意識が治ることに抵抗することがあります。
精神医学で「疾病利得」と呼びます。
痛みがあることで
・家族や周りの人に労わってもらえる
・嫌な仕事に行かなくても良い
・やりたくないことから逃げることができる
などのメリットを感じているような場合です。
これは「痛み」よりも
・普段の自分は愛されないのではという思い
・仕事に対する思い
・自分は能力がないという思い
などを扱っていく必要があります。
脳の疲労を回復させて
潜在意識レベルの
自分に対する誤った認知を
扱っていきます。
・・・続く