椎間板ヘルニアの手術法の1つ、顕微鏡手術におけるメリットとは? | 体の悩み解決ブログ

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腰痛で手術、といえばやはり、多くの方が椎間板ヘルニアをイメージすると思います。へルニアの手術では、突出してしまったヘルニアを摘出するか、あるいは飛び出した髄核の一部をレーザで焼き、椎間板の内圧を下げて元に戻す方法もありますが、日本で保険治療を受ける場合は前者の摘出術がメインの方法になります。


また手術といえばできるだけ侵襲性が低いもの、出血が少ない方法がいい、と考えるのは当たり前です。最近ではこのタイプの方法として内視鏡手術が有名ですが、実際に操作する手と肉眼の拠り所が全く違い、モニターに映し出される患部のほうがいかに鮮明な映像であっても、肉眼ではわかる3次元構造が捉えにくく、技術が発達しないと執刀しずらいという難点があります。


この内視鏡の変わりに登場したのが顕微鏡手術です。手術用に用意された顕微鏡を使って拡大でき、また内視鏡と比較しても傷がほぼ同様に小さくなり、侵襲性においてもメリットが高い方法です。神経の構造やヘルニアが起こしている圧迫の度合いももちろんわかります。安全性が高い方法でもあり、手術で大切な視野の確保においても患者ごとに差違がほとんどありません。


手術後の回復については、従来型とほぼ同じと言えます。つまり重度の患者さんでもリハビリ後は約1ヶ月程度安静をとり、その後徐々に生活に慣らしていくようになります。また再発率も同様です。100%治す、とすれば明らかに患者の術後の努力が結果を左右します。ヘルニアを摘出するだけで、変性したヘルニアを元に戻すわけではありませんので、椎間板はよりダメージを受けやすくなり、まずどのような場合も術前同様の無理は禁物です。


椎間板ヘルニアの手術を受ける場合、最近はこのようなダメージの小さい方法がごく一般化しています。昔であれば入院も長く、出血も多い、というのが当たり前という時代も長かったものですが、翌日に退院できるレーザー治療も進歩し、たとえ固定術や併発している脊柱管狭窄症を伴う場合でも同様です。


手術を受けるのはまず当面は先のことである、これは間違った考え方ではありませんし、医師のほうでも時期をできるだけ先延ばしにするように働きかけるところが多くなっていますが、早い社会復帰を前提に手術を決断する方は少なからずいます。また腰椎の場合はリスクはそれほどではない、とも言われています。つまり頚椎椎間板ヘルニアのように、手術の術式の選択子も狭ければ、重篤な症状が合併する可能性も高い、ということはありません。特に内視鏡はかなりレベルの高い方法ですので、そのまま頚椎に範囲を広げることはほとんどの医師が考えませんが、腰椎では経験の豊富な医師、と自分が判断できた医師であればまず問題は9割方無いとも言えます。


椎間板ヘルニアで手術を受けるかどうか、誰にとっても明確ではありません。ヘルニアのこと、手術の方法などについての基本的な知識を持っておくこと、これができれば、いざとなった時に無理なく疑問を解消していくことができるでしょう。