カール・メニンガー(英語読みだとメニンジャー)という精神科医をご存じだろうか?
(アメリカで精神分析が流行っていたころ)そのメッカとも言われたメニンガー・クリニック
を創始した精神科医(1890-1958)である。
『甘えの構造』で有名な土居健郎氏をはじめとして、メニンガー・クリニックに留学した
日本の精神分析家も多いが、メニンガー(メニンジャー)の名はむしろ自殺論の古典
の一つである『おのれに背くもの』の著者としての方が知られているかもしれない。
このメニンガーが残した名言に、次のようなものがある。
The patient improves either to please the doctor or to spite him.
「患者が良くなるのは、医者を喜ばせようとするか、あるいは医者に仕返しをしようとする
(困らせようとする)か、どちらかのためだ」
病い、とりわけこころの病いが治療的な「関係の中で」癒されていくことを、これほど見事に
表した言葉はそうそうないだろうと思う。
これまで、後者(医者に仕返しをしてやろう、鼻を明かしてやろう、こらしめてらやろう、困らせて
やろうとすることで患者がよくなっていく。もちろん、こころの病いの場合は無意識的なもので
ある場合が多いだろうが)については、理屈としてはなるほどそうだろうなあ、とわかっていた
つもりだったのだが、
最近、まさにこれを実感する出来事に遭遇した。
某SSNにはすでに書いたが、
実は職場の健康診断で引っかかり(糖尿病の疑い)、精密検査を受けてきた。
まあ、結果は、糖尿病までは行かないが、インシュリンが大量に出ているにもかかわらず
血糖値が下がりにくい(インシュリンの効きが悪い=インシュリン抵抗性)状態になっており、
このまま行くと糖尿病になってしまうことは必至、ということで、これを機に思い切って減量に
取り組むことになった。
(糖尿病になって、おいしいものを食べられなくなったら大変なので・・・)
減量の話はおいとくとして、
今日書きたいのは、
この時に精密検査を受けに行った医院のクソ医者のことである!!
別に医者の評判とかで選んだのではなく、「精密検査を受けるように」という通知と一緒に
入っていた糖尿病専門医のリストのなかで、家に一番近いところに行っただけなのだが・・・
まあ、他人(客)への応対というものの基本をまるで知らない、どうしようもない「クソ医者」
であった(そのせいか、待合室は閑古鳥が鳴いており、受付嬢もナースも暇そうだった)。
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クソ医師 「おたく、職場がT大みたいですが(保険証から)、先生ですか?」
私 「そうですよ」
クソ医師 「あ、それは失礼。何科でいらっしゃいますでしょうか?」
(途端に態度が変わる。。。大学病院の医者はこんな医院に来ないだろうから、
たぶん事務官だと思っていたのではないだろうか)
私 「いや、教員ですが、医者ではないんですよ」
クソ医師 「えっ!? なんの・・・」
(途端に態度は逆戻り。。。コイツ、医学部には医師以外の教員もいるのを
知らないようだ)
私 「ああ、生命倫理を教えているんです」
クソ医師 「へえー・・・」(うさんくさそうに私を見る)
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クソ医師 「お酒は、週何回?」
私 「毎日です」
クソ医師 「マイニチ~!?」(劣悪な異星人でも見るように軽蔑の眼差し・・・)
私 (お前みたいにつまらん人生送ってそうな奴には酒の楽しみと人生の深み
はわからんだろうなあ)
クソ医師 「フン、肥満、運動しない、毎日酒、ぴったし(糖尿病の)パターンに
はまってるんだけどねえ・・・・・。(職場の健診結果を見ながら)たしかに
糖は出てるけど、このHbA1cっていうの、まったく正常なんだよなあ。
普通、糖尿病の人だとこれが6を超えるんだけど・・・変だなあ・・・」
私 (お前なあ、俺が糖尿病であってほしいんかよ!
まあ、糖尿病でなかったら、「貴重な」患者一人損するもんなあ)
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(一週間後、ブドウ糖負荷検査の結果が出てから)
クソ医師 「まあ、糖尿病までは行かんけど、すごい悪いよこれ。このまま行けば
絶対糖尿病になるからね。どれ、血圧も測っとこうか」
(血圧測って)
「おー、やっぱり~。170と110!」
(うれしそうに見える)
私 「家で測ったら大体140と90前後ですよ。そんな、絶対に糖尿になるなんて
聞いたから、血圧が上がったんですよ」
クソ医師 「そんなねえ、血圧が高くない人ってのは、ショックなこと聞いてもこんな
に血圧上がらないんだよ」
私 (お前なあ、医師の前に出たら血圧が上がる、という人がいるぐらいのこと、
家庭の医学書にでも書いてあるだろうが!
大体、お前みたいなクソ野郎の顔を見てカッカ来るから、血圧上がるんだよ、
このアホタレが!)
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この時から二週間ほど経ちますが、
朝晩30分ずつ歩き、腹筋をし、酒を減らし、食事も腹八分目にして、
がんばって減量に励んでます!
苦しくなり、くじけそうになるたびに、このクソ医者の顔を思い出し、
もう二度とお前の顔を見ないために、俺はがんばるぞー!!
という気が沸々とわいてきて、がんばれるのだ。
学生に、どうしようもないクソ教師のことで相談を受けた(愚痴を聞かされた)ときには、
「どんな教師も反面教師としては十分役に立つから、しっかり活用せよ」と言うのを
常にしているが、クソ医者も使いようである!!