今年も新入社員研修の時期となりました。
設計研修の講師をやって欲しいと頼まれ、久しぶりに新入社員研修に参加することになりました。
今年はどんな新人が入ってくるのかと楽しみにしていました。
4日間行われた研修の初日のことでした。
沢山の研修生を前に、パワーポイントを使って説明をしていると、いきなり大あくびをしている研修生を見つけたのです。
こちらの立場からすれば、4日間進められない自分の仕事を他の社員にお願いし、会社からは将来を担う新人をしっかり教育して欲しいという指令もあったので、教育にはかなり気合いを入れていたのです。
それなのに、講師に向かって大あくびをするとは無礼にも程がある!
堪り兼ねた私は、皆に向かって大声を出しました。
「あくびなんかするんじゃない!」
「もう学生じゃないんだし、社員である以上、給料をもらって教えてもらっているという立場をわきまえてください。もっと集中して聞くように。」
もし仮にあくびをしたかったら、ちょっとうつむいて口が開くのを我慢し、せめて鼻から静かに息を出すくらいの気遣いが欲しかったのです。
新人にとって研修期間というのは、まだ学生気分が抜け切っていない上、責任も少なく、仲間と和気あいあいと話しながら夜遅くまで飲んだりと、とても楽しい時期でもあります。
もちろん会社によって雰囲気も異なりますが。
私も新人の頃に経験したので、彼らが寝不足かもしれないのは分かっていました。
でも研修ではしっかりと学んでもらわなければなりません。
もし研修の内容が面白ければ、あくびなんかされることもないと思うと、こちらの教え方にも問題がありそうでした。
大学の先生のように、黒板の前でただ教科書を棒読みするだけなら、生徒が眠っても仕方ありません。
そこで、こちらから一方的に話すのではなく、研修生との対話を重視した講義に変更しました。
質問を受け付ける回数を増やすと、あちこちから質問が飛んできました。
質問してくる研修生がいつも決まったメンバーだと気づけば、そうでない人にはこちらから積極的に話しかけました。
時には海外での仕事の体験談などを交えて笑いを誘いました。
ドラクエの話題を出すと、内容を知らない人が多く、「しまった!ジェネレーションギャップがあった」と、例え話を出すにも注意が必要でした。
こちらの熱意も伝わったのか、その後彼らは課題にも真剣に取り組んでくれました。
4日間の講義を終えた頃になると、皆何度もお礼を言いに来てくれました。
ちょっと嬉しい瞬間でもあります。
研修が終わって配属が正式に決まると、とたんに忙しくなって社会人として揉まれていくようになります。
早く一人前に成長して欲しい。
そんな思いをしながら、新入社員と接した4日間でした。