ブログネタ:あなたにとっての“ご褒美”といえば、なんですか?
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一昨日電話が来た。
先日「雛」を見せていただきました・・・
で始まる1時間くらいのやり取りの中で、
「個人的な話ですが、妹との問題です」
「えッ、だったら後にしてくれないか」
・・・やらなければならないことを
抱えていたので、余裕のある時に
して欲しいと思った。
しかし彼の次の一言で気構えを変えた。
「お雛様を売られる「雛」のお鶴の
悲しそうな表情がよみがえって・・・」
の一言だ。
話はこうである。
彼の嫁いだ妹が数ヶ月ぶりに実家に
帰ってきて、探しものをしていた。
仕事から帰った兄の自分に、
「お兄ちゃん、私の生活日記見なかった?」
「生活日記?」
「小学校時代の交換日記」
「・・・!?」
見なかったどころではない、
1ヶ月以上前、可燃物として
ゴミ袋に詰めて出したのを思い出したのだ。
「最初から持って行こうと思ったんだけど、
新居が落ち着いてから取りに来れば・・・」
と、・・・特に想い出に残る教科書2冊と
一緒にまとめておいたのだそうだ。
「あれが、そうだったのか」
彼は正直な男である。
ことの経緯を包み隠さず話したという。
妹の落胆は尋常ではなかったらしい。
その場に座り込んで1時間も動かず、
涙を流していたという。
その時彼は、ぼく等の上演した「雛」を
思い出したのだという。
売られてしまう雛人形を思うお鶴の気持は
どんなだったろう。
しかし、その雛の箱が、目の前にあった。
売られていくまで、何度かは、
心の中で別れの言葉をかける時間があった。
それに引き換え、自分は・・・
妹のその全てを奪ってしまった。
何と慰めていいか・・・と思った時、
自然に「雛」の話をしていたという。
「少女のお鶴は、
自分の宝物が売られるにせよ
雛のおさまっている箱を目の前に
何日か一緒に暮らせたのに、
お前はそれも出来ない」
可哀想なことをした・・・と心から謝ったという。
すると妹は、
「お兄ちゃん、ありがとう」
笑顔を見せて、
「生活日記はなくなっても、
それに代わるいい想い出を貰った」
と言ってくれたという。
その妹の目には、悲しみとは違う涙があったという。
そして、自分の目にも涙があったのに気付いたという。
黙って、話を聞いていたぼくも
貰い涙をしていた。
笑顔を見せてくれた妹を駅まで送り、
電車に乗るまで見送ったが、
その後姿に、かすかな寂しが見えて、
「ごめんな」と呟きながら帰ってきたそうだ。
このような報告をしてくれた彼は、
「いい演劇を観せてもらえた」
・・・と、電話をしてきたのだ。
演劇をしていて、
こんな嬉しい「ご褒美」はない。
千秋楽を終えて、
楽屋で交わすGEORGIAでの乾杯もいい。
・・・が、何日も経って、
こうして寄せられる感動の言葉も
かけがえのない「ご褒美」として恭しく頂く。
幸せだなァ~![]()
美味しいなァ~![]()



