俳優になる 14 | 演劇人生

演劇人生

今日を生きる!

俳優として必要なものって何だろう。




うちの劇団で、


演劇のエの字も知らない新人を何人か育成した。


準主役を当てられるまでに成長したが、


何処へ行ってもつとまる俳優かと問われれば


まだだね」と答えるほかはない。


劇団にいれば、


その役者向けに役を作りかえらることもできるし、


役者に合う役づくりも可能になる。


また、その役者に合うであろう作品をもってくることもできる。


役者からすると贅沢な話だが、


それだけ面白さもある。




S君を当てるつもりで三浦綾子さんの「壁の声」を脚色して主役にし、成功を収めた。


またこの8月にはE君のために、同じ三浦さんの「貝殻」を脚色して上演した。


「役にぴったりでしたね」という評を頂いたが、彼の地だったという面白さがあった。


「えっ、地なんですか?」


これも、劇団内であればこそ可能な創造の域である。




役者は自分でつくらなければならない部分と、


つくられる部分がある。