日をおいて書こうと思ってパソコンに向かったら、
「・・・あら!」
会話の大半を忘れてしまった。
憶えているところだけ書いてみよう。
「役者さんって声がいいでしょう?」
「さァ、そうとばかりはいえないと思いますよ」
わたしの知っている役者で、
「声がいい」と言われていた役者は多くない。
言いにくいが、わたしはたいていの人から、
「いい声ですね」
と言われていい気になっていた頃があった。
が、これは役づくりに役に立つかといえば「No!」である。
わが師は、
「ドラム缶でも、転がし方一つでいい音にも聞こえる」
つまり、転がし方を間違えると唯の雑音だというのだ。
いい顔も、わるい(・・・あるかどうかだが)顔も、
いい声も悪声も、かたい体も柔らかい体も、
わたしのような太っちょも、あるいはヤセも・・・・
「どうつかうか」
この
「どのように」
ということが、役者にとって最も大事なのだ。
ものの感じ方も、
「何をどう感じ~」だから「どのように考え」「~このようにする」
この展開が役者の仕事なのだ。
このことを考えると、
役者を教育することは難しい。
セリフのいいかた
体の動かしかた
表情のつくりかた・・・等々、
こんなのは役者の勉強でもなんでもない。
こんな話はしなかったのだが、
初めは、こちらが聞かれているのに、
質問ばかりしていたのを憶えている。
「役者って?」から始まった話だったようだが、
「11月の、今度の舞台を観て?」
という結論だった気がする。
声も顔もスタイルも何でもOK。
だって周囲を見て・・・
いろんな人がいるじゃないですか。
あなたもその一人なら役者になれるんです。
ただ今、「母」出演者ならびに、
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気がつけば、
劇団アドックの窓から見えていた氷川の森は・・・
ビルの陰に隠れてしまいました。
(上)昨年までの窓外風景
(下)現在の風景