早朝の中央線電車の中。
「????」
鼾が聞こえた。
あゝ、これは無呼吸に結びつくタイプの鼾・・・・と、
思った瞬間、
「カッカッカカカ・・・・」
止まったァ、やっぱり無呼吸だ!
1秒、2秒・・・・
「プ~ゥ」
「何処で?」
辺りを見回して驚いた。
立ったままじゃないか・・・いでたちは紳士だ。
「グ~ッ・・・グ~ッ・・・」
新宿に着いた。
紳士は目を開けた・・・が、直ぐ目を瞑る。
ドアの方向を確かめた風だった。
安心したように、再度、鼾をかき始めた。
電車が停まり、ドアが開いた。
混む人波に押されがら
「グ~ッ!」
歩きながらも眠りは続いている。
周囲の人たちは、一様に目を丸くした。
ある一人は、「すごい!」といい、
二人連れは、遠慮気味に、だが声を出して、
「忍者だ」という。
忍者・・・?
立ったままで眠る忍者はいたかもしれないが、
鼾をかいていたかどうか。
ただただ、すごい!
過ぎたる疲れの中にあるのかもしれないなァ・・・