私の好きな役者(13) | 演劇人生

演劇人生

今日を生きる!

好きな役者を並べ始めたら・・・きりがない。

続々と出てくる。

どこで打ち止めにするか難しくなってきた。


きょうは演劇の神様についてです。

「何処に劇場にも神様がいる」


これは私の持論ではありません。

この9月に再演した「母」で天童公演に行った時、

舞台稽古を終えてホテルへ帰り、

食前にビールを酌み交わしながら出た話です。


舞台監督のY氏・・・

「何処の劇場に行っても感じる重~いものがない?」

と質問されて直ぐ、

「ぼくが感じるのは神様だね」

と答えた。

「鬼のときもあるよ」

実際にそうなのである。

舞台には鬼が棲み、客席には神様がいるように思えるのだ。


初めての劇場に入り、

最初に出会う人に、「おはようございます」と、

かける声がある。

・・・というより「音」がある。

ぼくにとって、

会った人への「挨拶」ではない。

神様と鬼に対する「音」のつもりなのだ。


そして楽屋や舞台へ向かう。

そこには、目覚めた鬼の気配を感じるし、

大向こうから見下ろす神様の視線を感じるのである。


「劇場だ!」

心に叫ぶ。


12月は O・ヘンリー原作「最後のひと葉」
 私の好きな俳優 ジェムス・スチュアート

 特に「裏窓」はよかった。

 緻密なプランを立てて役を創り上げる

 知性豊かな俳優としての印象が強い。

 西部劇には不向きに見える風貌だが、

 「西部開拓史」などをみると、その風貌を

 巧みに活かし、根無し草のような役を、

 見事に描いていた。

 「翼よ!あれがパリの灯だ」や「めまい」

 などに、彼の緻密な計算がみえる。