舞台には、プロンプターがつく。
先日公演した「母」にも、
前半と後半とに分けて一人ずつつけた。
役者にもいろいろいて、
セリフが出ないのはプロンプターのせいだと、
こっぴどく怒る役者もいる。
この前の「母」でもひどかった。
セリフがなかなか覚えられず、
結局は最後の最後までいい加減なセリフを言われてしまったのだが、
プロンプターがついていけないの代物だった。
あれは・・・何ともいいようがない。
稽古場で、セリフのつけ方が悪いと、プロンプターを怒鳴った。
「何を勘違いしているんだ。怒鳴る相手は自分だろう」
と私は言ったが、それも響かなかったようだ。
ところで以前、舞台の演壇に身を縮めて隠れ、
そこで演説する役者のプロンプをする女性が袖で泣いていた。
「どうしたの?」
と聞いても何も言わなかった。
後で分かったことだが、
セリフに詰まった役者に、その都度蹴飛ばされるのだという。
(役者の名前は伏せておくが)
「プロンプターという役はね、役者が詰まったと思ったら、
1秒待たせちゃ駄目なんだよ。すかさずつけろ!」
と怒鳴っていたことがあった。
彼女の身体はアザだらけだったと聞く。
このような話は、芝居の世界だけのものではないかもしれない。
また、この良し悪しはいえないものかも知れない。
ただ、なまじの気持ちでは続けて行けない
厳しい世界であることだけは確かなのである。
いい役者だねぇ。
みんな嫌だというが、私は
「スターダスト」の彼がよかった。
存在感抜群だ。
先日観た「リミットレス」もよかった。