役づくり | 演劇人生

演劇人生

今日を生きる!

昨日の稽古場で

フィッと思ったこと・・・


鏡を見る。

「あゝ、目が疲れてる」

「肌が荒れてる」

「あれッ、こんなところにシミが」

気になるところが見えてくる。


いつだったか、

「心の映る鏡ってないものかなァ」

と思ったことがある。

阿呆な表情をしているのかもしれない。

「お前は何をしたいのだ」

いま映る顔にではなく、

映った心に聞いて見たいと思った。

心がどんな表情をしているか・・・

自分のしたことのたいていのことを許し続けている

我が心は、だらしのない下卑た表情を

しているのではないだろうか・・・


役者が役と向き合うとき、

先ず、己が心を映した鏡と向き合ってみたら

どうだろうということだった。


先ずもって、いくら共通するものを持っていても、

役の人物が持っているものは

自分のものではないからだ。

それと同じように、

自分を一番良く知っているのは自分だといえないところに問題がありはしないだろうか。

自分というものを一番知らないのが自分なのだ。


だから自分を知ろうとする・・・

ここに役者が演技をすることの第一歩がありはしないか。

劇団生活
 人形にも操る人の心が映る・・・

特に、台本の中にある世界を見つけるには、

活字を読んでいてもダメなのである。

AさんやBさんが生活している

場所、人々、家や木々、踏みしめる足元・・・

あるいは部屋の本棚にはどんな蔵書が・・・

冷蔵庫や靴箱の中も覗き込まなければならないのだ。

「風呂を浴びてこようか」

のひと言にも、

タイル張りなのかシステムバスなのか・・・

追い炊きなのか、

石鹸なのかボディシャンプーなのか・・・

窓から何が見えるか・・・


「そんな・・・本にないのだから必要ないよ」

というものではない。

役の人間が生活している場なら、

当然知り尽くしていているはずだからだ。


つまり、何が言いたいかといえば、

この役づくりの前に、その役を演じる役者が、

自分の生活の場や、それとのかかわりを、

丁寧に、大切にして欲しいということでしかない。

自分自身を徹底的に知ることもその一つだ。


役者には眠りはない・・・

生きることの中に学びがあるのだから。