友人の話を聞くうちに・・・
思い出したことがあります。
夏休みを利用して、
神津島に行ったことがあります。
5日間の予定が、3日目に始まった台風の影響で、
4日目からのフェリーは全面ストップになった。
帰った翌々日に仕事を入れていたこともあって、
焦りにあせりました。
が、この度のアイスランド南部の火山もそうだが、
人力では歯向かい得ない自然の大きな力であります。
台風のニュースが島を席巻した夜から、
観光客の食べ物買占めが始まり、
インスタント食品などがあらかた店から消えました。
民宿の食事も充分には出せないかもしれないという。
さらにもう一つ、帰りの乗船予定が大幅にずれるという。
東京の仕事先に電話して、
出来るだけ早く乗船できるように手配してくれと交渉を依頼。
5~6時間かけて交渉したとのことでOKが出ました。
あとは食料の問題です。
そんな中、ジュリア・おたあさんの慰霊祭があり、
饅頭などの供え物の下がりだと言って、
女将さんから饅頭3個ほどもらいました。
餡がギッシリとつまっていて美味しそうでした。
押し頂く気持でした。
明日、一番のフェリーで帰られることになった夕食後、
おやつとして1個をいただき、東京の仕事先に、
「おかげで、明日日中には帰れる」
と連絡をして立ち上がろうとした途端、
腰に違和感が走り・・・「立てない」
柱に捕まって立とうとしても駄目です。
これは大変なことになったと思いながら、
その日寝れば直るだろうと横になりました。
ところが寝返りもうてない。
トイレに行くにも四つんばいで行かなければならない。
明日はどうしよう・・・これで船に乗れるか・・・
一睡もせずに朝を迎え、
民宿の女将と旦那と隣りの部屋のお客さんの支えを得て、
フェリーに乗せてもらったのです。
船は台風の影響を受けて大きく揺れる。
その度に腰に痛みが走る。
アナウンスで、売店には食べ物がないことや、
安全運航をしているが揺れるので、
出来るだけデッキには出ないように案内があった。
ぼくには、昨夜食べ残してある饅頭が2個ある。
食べようと取り出すと、
「・・・うん?」
僅かに異臭がする。
「仕方ない」
ゴミ箱を探すが見当たらない。
「海に捨てなさい」
女の声が何処からともなく聞こえたのです。
「・・・?!」
確かに聞こえたが、
何処からなのか説明もつかない声でした。
近くにいる二人の男性にお願いをして、
デッキに連れ出してくれと頼みました。
「ぼくが捨ててきてあげますよ」
・・と言ってくれるのですが、
「これだけは自分が捨てなければならない」
頑なにそう思えたて無理を頼みました。
そして、2人に支えてもらいながら、やっとの船べりに着き、
ビニール袋から2個の饅頭を取り出して海に捨てました。
「あゝ、よかった。ありがとう」
・・・とお礼をいい、連れ戻してもらおうとした時・・・・
「あれッ、立てる!」
二人の手を離して歩ける自分に気づいたのでした。
「大丈夫ですか?」
波に揺れて大きく傾くデッキを手も借りずに、
「大丈夫!」
と言いながらスキップも踏めたのです。
この不思議を思い出しました。
いまだに不思議な出来事のまま、
あれは何だったのか・・・わかりません。
でも、これは確実にあったことなのです。
「あるんです・・・ほんとうに!」
因みに、
ジュリア・おたあさんとは、朝鮮人のクリスチャンで、
島流しにあい八丈や大島を経て神津島で亡くなったと
聞きました。このそれぞれの流島で、村民のために
一生懸命働いて、信頼と尊敬を集めた女性だと聞きました。
16世紀のころと聞いています。
島のどこかに10メートルを越える
十字架が立っていると聞いたことあります。