ブログは、前日に続きで、近くの喫茶店で
電話の彼女に会って話した内容である。
「セリフは聞こえなければ意味がない」
演出にもいろいろあるから一概には言えない。
ただ、ぼくの考えでは、これは間違いだ。
「セリフが聞こえなくても、意味が分かればいい」
というなら分かるのだが・・・
例えば、「リア王」の中で、
亡骸になった末娘コーデリアを抱きかかえて
嘆き悲しむリア王のことばがある。
自らの心に言い聞かせるセリフや、
冷たくなったコーデリアに語りかけるセリフ、
周囲に語る言葉・・・様々だが、
声にならないであろうセリフが幾つもある。
ただ、本を読んでみて、
彼女の指摘したセリフが、
それにあたるとは言い切れない。
「聞こえなければ意味が分からないだろう?」
と言えなくもないセリフだ。
「これは演出の考えに従わなければならない」
セリフだと思うことを告げた。
ぼくは、書かれたセリフだからと言って、
全部を客席に届けなくていいと教えた。
思いをセリフで伝えられるパーセンテージは
せいぜい3~40%だと思う。
脚本に書かれているセリフを読む場合、
読む人が感じるイメージを加味するので、
大きなパーセントを占めるが、
しゃべるセリフになるときには
極端に表現可能領域が狭まるのだ。
今回は、
演出に対して、「考え違いでした」と
お詫びしなければならないだろう・・・
そういうことで収めることにした。
演劇って、面白いが難しい