ある劇団の稽古を観てきた。
他所の劇団の稽古を見たって面白くない・・・
だが、
「是非見てくれ」
といわれて見に行った。
やはり見ないほうがよかった。
演出は、
「そんな声じゃ、客席に聞こえないよ」
しょっちゅう、こんなことを言っていた。
役者ってね・・・
「どんなセリフでも客席に届くように訓練が必要なんだよ」
「日常会話を持ってきても、芝居じゃ通じねえんだよ」
とも言っていた。
そうだろうか・・・
あのセリフは聞こえなくていいんじゃない?
ぼくは・・・そんなことを思いながら見ていた。
また、セリフの全部を客席に聞かせなくてならないこともないはずだ。
聞こえなくてもいいセリフなんて書かない。
・・・そんな作家さんもいるだろうが、
これまで読んだ本の中には、
声として、客席に届かなくていいだろうセリフもあったし、
あっていいと思う。
役者の勉強をしたいという人で、
「声の出し方も知らないし・・・」
という人がいる。
「いま出しているじゃないですか」
というと、
「・・・?」
普段、支障なくしゃべれれば、
それでいいですよ。
・・・とぼくは言う。
稽古で喋れていない人は、
普段の生活でもしゃべれていない。
日常普段、
考えと、ことばを吟味して、
きちんと喋れる人は大丈夫。
日常普段のしゃべりをちゃんと点検できれば、
すばらしいセリフのお勉強になるのだと、ぼくは思う。
・・・が、どうだろうか![]()
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