劇団は苦しい・・・
貧乏劇団は、芝居の中身まで貧しくなるものだろうか・・・?
役者の根性まで・・・?
貧すれば鈍す・・・
これじゃいけない
むかし、僕と同じ姓の女性が、
夫を殺害し、
身体を切り刻んで捨てた、
いわゆる
バラバラ殺人事件だ。
数十年前になるが、
同姓だったということも衝撃だったが、
そのおぞましさに戦慄を覚えたものだった。
吉信(?)ちゃん誘拐殺人事件も同様だった。
先日、報道のあり方が、
この事件を契機にして変化したのだという番組があったが、
その事件のいずれもが、
滅多に起きない残虐事件だったのである。
それが、今はどうだろう・・・
殺人事件の報道は日常茶飯事になった。
草むらで死体が見つかったの、
玄関に女性の死体があり、夫が指名手配されたの、
子が親を殺したの、親が子を殺した・・・等々。
そしてテロだ虐殺だ・・・
これ等の中には、
傲慢がある。
こんな世の中、
いいと思っている人間は、ごく少数に違いない。
だが変らない。
でも、何とかしなければと思わない限り気持がすまない。
何とかしたい・・・
こんな世の中を何とかしたいと思っている人間って、どんな人だろう・・・?
僕と一緒に芝居づくりをしている劇団の連中がそうだ…と思う。
まだ沢山いるはずだ。
だって、「コレでよし」と思っている連中は、
数にすれば少ないはずだから・・・
連中は、人を食える。
貧困で飢え死にしている人を見ると、
如何にも尤もらしい顔をして、
「可愛そうに」
というだろう。
施しもするだろう。
実は、施しながら…よだれを拭っている。
施しの数万倍、いや数億倍を、
奴等は飢えた人間からむさぼっているからだ。
僕らは貧しい。
施しを貰っていないが、貧しい。
でも、これでいいとも思う。
だからこそ、矛盾をも感じ取れるのじゃないかと思う。
数百万…否、数千万の車に乗り、
勝ち組を名乗って六本木を闊歩する連中には、
本当の人の“痛み”を感じることは困難だろう。
明日をどう生きようか…
悩みながらする演劇・・・
これでいいのだと思う。
ただ気をつけなきゃならんのは、
貧すれば鈍する…これだろう。
「窮すれば通ずる」にしなければならない。
そのためには、やはり…おにぎりくらいは食べないとなァ・・・
さ、これからまた稽古・・・だ!