ダウ平均株価では、追加経済対策の現金給付が株式市場に流入することを見込んでの急上昇が続いています。この波に乗じて、日経平均株価も先月以来の3万円に再到達したものの、すんなり上に抜けてくれません。

 

 思い起こせば昨年の3/19にコロナ禍の大底を付け、その終値が16,552円。そこから市場には大きな波乱もなく、ほぼ一本調子で株価は上昇し、30,000円付近にいます。

 この支えとなったのは、FRBによる昨年3月の米国版"異次元"大規模緩和策でした。

 

 下図は、日米中銀の資産規模と各株式指数の推移を示しています。

 リーマンショック後からのFRBによる量的緩和策により、FRBの資産規模は拡大し、それに沿うようにダウ平均株価も2015年まで上昇しました。

 2014年から、FRBは量的緩和縮小(テーパリング)に舵を切り、資産規模は横這いとなり、ダウ平均株価も$16,000~18,000のレンジに移行しました。

 その後、トランプ政権発足とともに、大規模減税、大型財政の経済対策を受け、ダウ平均株価はFRBの資産規模縮小にも拘らず大きく上昇を続けてきました。

 

 昨年のコロナ禍による3月の株価急落を受け、FRBが再度大規模な量的緩和策を実施し、昨年一年間で、FRBの資産規模が倍増しました。この施策を受け、ダウ平均株価は急回復し、今は、株価と資産規模の相関よりもダウ平均株価が上抜けした格好になりました。

 

 これが株価の行き過ぎなのか、それとも、1.9兆ドルにも及ぶバイデン追加経済対策の効果が出始めたと見るのか微妙なところです。2016年暮れ以降の株価上離れの再現と見れば、上昇基調はまだ続くはず・・・

 

 ただし、余りに上昇ピッチが急すぎたために、些細なことをきっかけとした調整がありそう。

 今回のFOMCでのパウエル発言。例え、市場フレンドリーな言動であっても、ここが潮目と見れば市場は大きく調整することでしょうし、まだ我慢できると見れば次回4月のFOMC会合まで調整先送りとなるでしょう。

 常に、流れが変わるのはFOMCなのですから。

 

 因みに、日経平均株価も日銀の資産規模を上抜けしてきています。

 でも、日経平均株価は日銀資産規模よりもダウ平均株価の動きにつられますので、やはりパウエル議長次第、いや米国市場の心理次第なのでしょうね。

 

 日経平均株価では29,000円を挟んだ攻防が続いています。先月16日を株価のピークに短期的な下降トレンドが続いていますが、これは年度末に向けたリバランスのため?

 

 昨年3月の大底からの回復過程において、日経平均株価はその25日移動平均線からの乖離が大変小さく、25日移動平均線にて下支えされてきました。

 しかし、先月末以来、25日移動平均線を下回る動きが続いています。

 

 下図は、'13年以降の日経平均株価と25日移動平均線からの乖離率の推移を示しています。

 乖離率が-3%付近で留まれるか否かがポイントに見えます。そこで踏ん張れれば株価は戻りますし、この一線を超えてしまうと-7~-8%の下落または-10%以上の下落となってしまいます。

 

 この1年間では25日移動平均線を下回っても、その乖離率は-3%を下回ることはなく、とんとん拍子で3万円まで駆け上りました。

 一昨日時点で乖離率は-1.8%。まだ心配するほどではありませんが、25日移動平均線を下回ったままなので、警戒は解けません。

 乖離率が-8%まで行ってしまうと27,000円、-10%なら26,500円まで押してしまうのかも。

 3/5の下値を下回らないように・・・

 先週の急落も一過性に終わり、膿を出し切れませんでした。

 金利上昇に怯えつつも、大規模追加経済対策を見込んだ上昇基調に戻れるのか、ダウ平均株価では$31,500を挟んだ攻防が続いています。

 

 今年の日経平均株価の動きは、1月末に記載したように、'13年以降では奇数年の挙動を再現して推移しました。この動きは2月も変わらず、'13、'15、'19年の範囲内で上昇を続けました。

 

 では、奇数年の動きをもう少し長い目で見ると、どうなるか。下図は5月までの動きを示しています。

 '13年は、日銀の異次元緩和が実施されたことで4月以降も株価が急上昇となり、あの5月のバーナンキショックによる急落を経験しました。

 パウエル議長は、その轍を踏まないよう、テーパリングを否定し、緩和が長期化することを議会にて証言していますが、市場金利は、景気回復と財政悪化を織り込んでの上昇を続けることでしょう。

 

 '15年と'19年は、3月中旬までは上昇を続けたものの、4月には踊り場を迎えました。

 今年も、このような推移を辿るのではないでしょうか。

 

 3月は、バイデン大統領の追加経済対策が上院にて審議され、規模が縮小されるにしても法案は上院を通過することでしょう。

 これで市場への恩恵となる政策が一息つくことになるので、利益確定の動きが出そうです。しかし、4月からの給付がすぐに消費行動に反映されるでしょうから、米国4~6月期の小売市場は活況となり、4~6月期の業績が良くなりそうですので、取り敢えず株価水準は維持されるかも。

 

 その間に、金利上昇や高官の失言がなければ良いのですが・・・