日経平均株価は、3万円台に3回トライするも、維持することができずにレンジ内での推移が続いています。

 

 過去100営業日間において、今回の推移と同様の推移を辿った過去事例を抽出しました。

 '00年以降では相関係数が0.92を超える事例と'00年以前では0.95に近い事例を、計8事例抽出し、各掲載日を今日前場終値に揃えて図にしています。

 レンジ相場が約2ヶ月続いた後も、7/8例では、あと約1ヶ月間、同様のレンジ相場が続いていました。

 今回に当てはめれば、5月下旬までは今までと同様の動きになりそうです。

 

 その後の展開はまちまちです。さらに上昇に転じたのは2事例。横這いが2事例。残り4事例が軟調な展開となりました。

 8事例の平均推移(黒線)は、5月下旬にピークを付け、その後は緩やかに下降傾向を示しています。

 Sell in Mayなのか。

 

 各事例、経済背景が全く異なるので、先の展開を読むことはできませんが、過去事例の平均推移通りならば、この高値圏に居られるのもこの1ヶ月?

 

 明日から名実ともに新年度に入り、新たな展開が期待されます。

 この一年間、コロナに明け暮れました。未だに根絶の途中であり、まだまだ長い戦いが続きそうです。

 

 その間にも米中の覇権争いがエスカレートし、高度な緊張状態が続くことが予想されるとともに、その一方では温暖化等の環境対応に待ったなしの状況となり、世界共通認識の下での行動が求められています。

 高齢化により現状維持バイアスが極度に強い日本の対応が全ての面で後手後手に回り、世界の流れについていけていない失速国になっているようにも・・・

 

 

 直近、米国長期金利が1.7%を上回っても市場には耐性がついたようで、大きな下落にはなっていません。

 しかし、今後数ヶ月の間に物価上昇が見込まれる中、長期金利がこの水準で収まっていられるのかどうか怪しく、耐性がついたからと言って安心はできません。

 

 下図は、米国の消費者物価指数CPIとFRBが注目している個人消費支出の物価指数、10年債金利の推移を示しています。

 昨年春を底にして、各指数とも順調な回復傾向を示し、1.5%を超える水準にいます。

 CPIは、この先も上昇することが予想され、6月には3%近くまで到達することでしょう。

 CPIは前年比較のために当然の上昇となるのですが、わかっていても3%となると冷静でいられるのかどうか。

 

 10年債金利は通常CPIよりも高い金利となります。

 そんな長期の金利がCPIより低い状態が続けば、先行きデフレ見通しとなってしまいます。

 でも前回、10年債金利がCPIを大きく下回ったのは2011年。リーマンショックからの回復期でした。

 

 今回も当時と同様、前年比ベースで見て"異常"なCPI値が出てしまう年となるので、半年ほどは10年債金利がCPIを下回る状況が続くと考えられます。

 もし、その間に次の3兆ドル経済対策が成立し、国債発行等を予見した悪い金利上昇懸念が出てくると、市場はさすがに負の方向に反応してしまいそう。

 

 FRBが注目するPCEコア指数は、恐らく2%前後の上昇で終わるでしょうから、テーパリングの話が本当にできるのかどうか怪しい限り。

 出口が見通せないのは、米国も日本化してきているからなのかもしれません。

 

 10年債の金利が2%以下なんて、米国人にとって全く魅力のない商品。

 '90年代前半の日本がそうであったように。

 この数日、日銀ETF買いの日経平均連動型からの撤退や、部品不足による自動車産業の操業停止、米中舌戦、欧州のコロナ再拡大等の影響を受け、さえない動きとなっています。

 それよりも、年度末のリバランスが主因と言われており、それならもうそろそろ折り返す?

 

 ついこの前までのテーマであった米国国債金利の上昇懸念に対する市場の耐性がついてきたと言われるものの、もっと長い目で見れば、時代の大転換が迫ってきているようです。

 '20年代後半に予想される米中のGDP逆転が迫り、米国による中国への締め付けがどんどん厳しくなっていくものと思われます。

 

 今までの米国の経済成長は、すべて金融緩和のお陰。

 下図は、米国国債金利(逆目盛)とダウ平均株価の長期推移を示しています。

 ダウ平均株価は'70年代の長い低迷期を脱し、'80年代以降現在に至るまでの超長期間、右肩上がりのトレンドを持続してきました。

 それを支えてきたのは、'80年代前半には10%台であった国債金利の低下です。

 国債の発行高が増加傾向をたどってきたのに対して、即ち、供給が増加してきたのに、金利はどんどん低下。

 年を追うごとに金利が低くなる環境なので、資金調達は楽になる一方でした。これで新規事業が立ち上がり、ハードウェアからソフトウェア産業へ、ネットワークを張り巡らしてエッジからクラウド事業に、データを資産とする事業へと進展してきました。

 

 でも、この流れも、'20年代に入り、金利 0~2%の狭いレンジに突入しています。

 不可思議なマイナス金利の時代が開けないと、先がないのでしょうか。

 

 破線は、金利の上値抵抗線(逆目盛なので下値抵抗線?)を示しています。

 この抵抗線も'20年代後半には2%に到達し、実金利が抵抗線を上回る(下回る?)のも間近です。 すなわち、トレンドの大転換。

 低金利化が支えてきた経済構造が大きく変わるのかもしれません。

 

 世界経済の二分化。環境・人権等、価値を置くべき比重の大転換なのか。これからの数年、コロナ禍を転換点として、新しい機軸を求める混沌の世界が続きそうです。