日経平均株価は、その値を緩やかに戻しつつあるものの、25日移動平均線で跳ね返されそう。移動平均線が下向きだから・・・。

 

 下図は、日経平均株価と、そのEPS、BPSの長期推移を示しています。ついでに、発行済株式数の推移も併記しました。

 この決算で予想EPSが急回復し、PER=15倍相当で日経平均株価と肩を並べる水準となりました。これで、'18年以前の相関関係に凡そ戻ることができました。

 とすると、ここから先、どう動くのでしょう。

 

 今回のようにEPSが大きく落ち込み急回復した事例はありませんが、唯一、政府・中銀政策で株価が上昇し、ESPが後追いとなったのは'13年の事例です。

 図に見られるように、'13年には先行する株価に対してEPSが追いつき、その後2年近くにわたりEPSと株価が緩やかに上昇しました。

 

 一方、景気に押し上げられた'15年では、EPSの上昇が見られたものの株価水準まで追い付かず、その後、株価の方がEPS水準に調整しました。

 

 今回も、とりあえずEPSが株価水準に追いついたので、市場は安堵したものと思われますし、ワクチン普及が進めば、今後はサービス産業の回復が見込まれるので、ゆるやかに株価上昇が続くと期待されます。もちろん米国金利の行方には注意が必要ですが...

 

 株価上昇を下支えしてきたのは、BPSの堅調さです。日本の株式市場がここまで回復するとは、10年前には夢のようでした。

 '15~16年までは発行済株式数も漸増していましたので、内部留保増加等が資産拡大に寄与してきたことがわかります。しかし、その後の'16~'17年で発行済株式数が大きく減少し、BPSの上昇の主因が自社株買い償却によるものであったことがわかります。

 ですから、この当時の株価上昇は株式数が減ったことによる嵩上げということ。目の子で6,000円くらいが株償却の効果かも。

 

 ’19年以降、発行済み株式数は総量としてほぼ横ばいで推移しており、自社株買い償却が続いていても、それに匹敵する公募・増資が行われました。それでもBPSが増加を続けたのは企業が貯め込んだから・・・

 

 今後もBPSの伸びが続くのかも重要ですが、それは株価の下値を底上げするためのもの。やはり、この先も上値を狙うにはEPSの増加が欠かせません。企業の実力が試されています。

 
 

 このところの下落により、日経平均株価のPERが14.95倍と、過去の妥当な水準(PER=15倍)にまで戻ってきました。

 国内のワクチン接種が広がらない現状では、先々上昇の期待が見込めず、当面、14~15倍の水準で動くことになるのでしょうけれど、接種スピードが上がり始めてれば、期待が復活して16倍を目指すことに。

 

 このような中、動けなくなっているのが日銀。

 この急落時にもETF買入は行われず、株価の先行きは市場任せの"健全な状態"になっています。

 

 下図は、日経平均株価の推移と、価格帯別の日銀ETF買入回数を示しています。

 日銀ETF買入回数の横軸は任意単位で '19年以降の買入回数になります。

 一目でわかるように、日経平均株価が24,000円を超えてから、日銀のETF買入回数が急減し、今年度4月以降では1回のみ、5月はゼロです。

 従来から保有していた株式の売却を進めてきましたが、ETF買入を停止している反動で、その売却ペースも鈍っている? 5/20分の従来分の株式保有額にも注目したいです。

 

 今後、ETF買入については、日経平均株価が25,000円を割らない限り、手出しをしないのでしょうか。

 日銀から見れば、今までは介入し過ぎで株式資産が異常に増加し、次期総裁へこれ以上の重荷を課せられないでしょうから、買入は減らしたいはず。

 

 損益分岐点も19,000円前後ですので、先々の急落に備え、これを20,000台には載せたくないでしょうから、もう現状維持が最善なのでしょう。

 

 とすると、日経平均株価の下値目途は・・・ 

 PER=14倍の26,600円、200日移動平均線も26,600円、価格帯別出来高のピークも26,600円。

 あれ、各々が同じところを指している・・・

 一昨日にダウ平均株価が$35,000超えを達成したものの、ローソク足は塔婆(トンカチ)の不吉な雰囲気に。昨日は陰線で、先行き雲行きが怪しそう。

 

 日経平均株価も大きく調整しており、こちらは薄い雲を下抜けた状態で、3月以降に度々経験した28,300円の攻防となっています。

 今日は流石に日銀ETF買いが支えになりそうですが、ダウ平均株価の雰囲気からすると、先々28,300円を割って、27,600円まで調整してしまいそうなことも。

 

 そのような中、ダウ平均株価の推移を大統領選挙後1年推移で比較してみると、別の側面が見えてきます。

 下図は、オバマ、トランプ、バイデン政権発足後のダウ平均株価推移を示しています。各年末株価を'20年末株価に比率で合せ込んでいます。

 今回の昨年末比上昇率で見れば、オバマ政権後と同等で、あのトランプ政権発足時よりも高水準で推移しています。

 オバマ政権発足後では、当時の株価で '13/5/22に$15,500を一瞬つけ、そこがその後約1ヶ月間のピークとなり、その前後でのレンジ推移が10月まで続きました。

 

 一昨日の$34,500も同じような状況かもしれません。

 決算が一巡し材料に乏しく、追加財政対策も夏以降、夏と言えばジャクソンホールが意識され、ぼちぼちテーパリングも俎上に上ることになり、混沌さが増せば上値が重い。

 今年中盤はレンジ相場になりそうですが、オバマ、トランプ両事例を踏襲して年末高期待が残ります。

 

 途中、失速しても、せめて '16-17年のトランプ政権発足後の株価推移が下支えとなれば.、10月以降に再上昇?して、年末に$38,000という異次元到達もあり得るのか。