昨晩の米国ダウ平均株価では、8月下旬以来の下げ幅となりました。

 米国の景気指標の中でも重要なISM製造業指数が、市場予想に反して下落し、2か月連続の50割れとなりました。

 

 唯一調子の良かった米国経済が株価を支えていましたが、米中貿易交渉進展期待よりも、米国経済の先行き不安が株価の重しとなりました。

 これでトランプ政権は年内にも米中貿易交渉を暫定合意させることになるのでしょうけれど、中国のPMIが経済政策により下支えされている中、中国側が逆に強気になりそう・・・

 

 

 先月、取り敢えず立ち直った日本市場では、昨晩の米株軟調の影響もそれほど受けず、なんとも最近は強気。これも日銀と自社株買いのおかげなのでしょうか。

 それでも、市場を動かすのは海外投資家。

 

 アベノミクス前の'12/1を起点とした海外投資家の累積売買代金とTOPIXの推移を下記に示します。また、売買代金を株数に換算した時の持ち株残高の推移も併記します。

 '16年の暮れまではTOPIXの動きと海外投資家の持ち株残高の推移がほぼ一致ちていましたが、'17年以降、TOPIXと持ち株残高の乖離が大きくなってきました。これはトランプ政権発足で海外投資家の投資先が米株にシフトし、日本市場における海外投資家の売買が横ばいとなる中、日銀のETF買いが'17年暮れまでに+約10兆円あり、これに乗じた他の投資家の資金投入もあって株価を大きく上昇させました。

 '18/1をピークに高値警戒感からの売りが進み、海外投資家は今に至るまで売り基調継続となっています。

 その間にも日銀はさらに+約10兆円のETF買いを進め、TOPIXで1600の株価指数を維持しています。

 

 しかし、海外投資家の持ち株残高との乖離は大きくなり、もし日銀のETF買いがなければTOPIXは1250程度まで下落していた可能性すらあります。

 EPSの水準からみれば、そんなことなないと思われるかもしれませんが、株価が下がれば円高にもなっていたでしょうし、EPSもそれなりの水準に低下してしまいます。

 今後、海外投資家が戻ってくるのかどうか。

 ここまで売り込めば、そろそろ底という人もいれば、持ち株残高からみると海外投資家は日本市場でまだ利益を出しているので、もう一押しの売りも可能とも言われます。

 

 日本市場の魅力が単にPERが低いというだけでは、海外投資家は買わないですし。

 来年の大統領選でトランプ氏不利がさらに鮮明になれば米国から日本への回帰と思いきや、その前に資金逃避での金融不況になりかねず。

 日銀頼みも、もう限界で、失速寸前?

 トランプ弾劾調査開始により軟調に。

 このまま今年のレンジ相場上限域に留まれれば、上に抜けられるかも。

 

 米民主党がトランプ政権に揺さぶりをかけるのは、既に選挙モードに突入した感のあるトランプ陣営を牽制してのこと。

 相変わらず支持率低く、現職の再選が危ぶまれる状況が続いているので、外交成果が欲しいところではあるものの、経済が厳しくなっている中国以外はすり寄ってきません。

 成果を焦って、いい加減なことをしなければよいのですが...

 

 

 過去、大統領再選時の選挙前年からのダウ平均株価の動きを現状に合せ込んでみました。

 意外な図です。民主党で再選を果たしたクリントン、オバマ両氏時代、再選前後での株価上昇が顕著でした。

 クリントン氏の場合では、選挙前年'95/11に株価が5000前後であったものが、大統領選挙1年後の'97/11には8,000前後まで上昇。

 オバマ氏の場合には、選挙前年'11/11はまだリーマンショックの後遺症を引き摺っていましたが、選挙年年末にバーナンキ氏によるQE第3弾が発動して、その後に株価上昇開始。ダウ平均株価は、12,000前後から15,000超へと大きく動きました。

 

 一方、共和党で再選を果たしたレーガン、ブッシュ(子)氏の場合、悪くはないものの、グラフの下の方に位置していますし、再選できなかったカーター、ブッシュ(父)氏もほぼ同様。

 

 しかし、全般的に大統領1期後の選挙前後の株価は堅調な推移になっていたようで、ダウ平均株価30,000超えもそう遠くないように見えます。

 

 

10連騰で昨日終値22,000円台を回復しました。

さすがに10連騰を達成するのは難しく、1985年以降では今回を含めて6回しかありません。

そこで、各事例の10連騰日の株価を、昨日の終値に合わせこんでみました(各事例の株価を比例縮小拡大)。

 

 

直近の事例は、一昨年の '17/10。

減税効果と米国企業業績を好感して米株が上昇し、つられて日経平均株価は何と16連騰を記録しました。

それ以前の事例は'15/5。 この時はECB・FRB政策期待により、12連騰を記録しています。

 

更に遡ると、もう '80年代まで戻ってしまいます。

バブル崩壊からリーマンショック前までは10連騰を記録する環境にはなかったようです。

 

過去5事例の平均推移をみると、10連騰後も堅調となっています。

今回もこれをトレースできるかは、FOMCにおけるメンバーの今後の金利予想次第になりそう。12月に利下げができるかどうか。