トランプ節がさく裂し、米中貿易交渉に暗雲が広がっています。

 発端は香港問題なのでしょう。 第1次合意が大統領選後となる可能性に言及したということは、中国が米現政権との交渉を一時中断したのでしょうか。

 

 先日のISM製造業指数が市場予想を下回り、米国製造業の底が確認できずに、12/15に第4弾の追加関税発動ともなれば、市場が描いてきた経済シナリオが崩れてしまいます。

 年末まで安泰の想定が一気に不安定となってしまいましたが、今回も、大統領選挙に向けたトランプ流の脅しなのか・・・

 

 さて、米国の年末商戦は堅調らしく、小売りが順調、即ち米国内需の堅調さが今の株価を支えている源泉です。

 その更なる源は、移民を受け入れ、年1%程度で増加してきた米国の人口にあります。

 

 ところが、St.Louis連銀がホームページで開示している生産年齢人口(季節調整値)を見ると、驚くことに、この半年、生産年齢人口が前年比割れを起こしていました。

 半年以上も前年比割れとなったのは、1952年以来のことです。

 

 下図は、その生産年齢人口とダウ平均株価(対数軸)の推移を示しています。両者を比べるのは無理やり感もありますが、ダウ平均株価∝米国内需∝小売売上高∝生産年齢人口と考えれば、まあ的外れでもなく・・・

 

 米国内の経済活動は、その時々の景気や物価指数、海外依存度に依存しますので、人口の増加ペースに対して、株価は上下に波を打つ形で現れます。

 が、人口動態がトレンドの基幹を為すと考えると、図中の最後の一年近くの飽和感が、今後の米株の行く末を暗示しているようにも思えます。

 

 株価はすぐさま軟調傾向になることはないものの、長期に亘るレンジ相場が待ち構えているのかもしれません。それを打破して上昇を続けるためには、GAFAが今以上に海外収益を上げる必要があり、世界的に広まりつつあるデジタル課税や個人情報保護の勢いを凌駕しなければならないでしょう。

 

 さて、米国の生産年齢人口の飽和をどう見るか・・・

 

 慣れっこになったダウ平均株価の最高値更新。

 業績低迷の底入れと今後の回復見込みが株価上昇の源ですが、それに水を差すいろいろな政治的要因の影響度が弱まった…ように見える、…ように感じている、…ように思いたい市場心理。

 

 その市場心理が大きく揺れることが多いのが12月相場。

 下図に、2013年以降の12月を中心とした年末年始の日経平均株価とダウ平均株価の動向を示します。

 

 今年の12月相場は今でも上昇期待が根強く、24,000円の声が多く聞かれます。一方で、昨年や2015年の印象が強く残り、何かあるかも・・・と懐疑的にもなってしまいます。

 上に大きく振れた年もありましたが、過去6年間の平均推移では12月頭をピークとして1月末まで緩やかに軟調傾向となっています。

 

 ダウ平均株価でも、上下何れに振れるか定かでなく、その一方で過去6年間の平均推移はほぼ横ばい。11月の状況とは大違いです。

 

 日経平均株価の今年1年間の形状が2016年と類似していることから、この安堵感の続く中でお正月が迎えられそうな。 

 香港の緊張が高まり、米国上院の人権法案可決により、米中経済協議にも不透明さが増しています。

 思想の方向が全く異なる国の間に妥協点が見いだせる可能性はほぼゼロで、そこに不可分な経済関係と、私利私欲のみの大統領判断の三つ巴で、先行きが全く見通せません。

 

 米中協議の進展期待で米国主要株価指数が最高値を更新し、この勢いは年末までは大丈夫だろうと市場は"極度に"楽観状態にあります。

 この流れに乗って、日経平均株価も24,000円を再び狙うと言われていますが、過去2回、24,000円超したものの、その後に大台を維持することはできませんでした。

 

 下図は、'18/1と'18/10に日経平均株価が最高値を更新したときの事例について、直近で終値が高値を付けた11/12に、各事例の最高値日を合わせ込んで示しています。

 現状の市場心理から見ると、日経平均株価はまだ高値を狙うと考えられますが、それが掉尾の一振となっても、「頭と尻尾はくれてやれ」の尻尾なのかも・・・

 過去2回の事例では、最高値とつけた後に急落となり、2ヶ月後には10%以上の下落となっていました。

 

 大統領選前に株安を起こすわけにいかないので、トランプ氏はあらゆる手段を使うことでしょう。それが困ったことにならなければよいのですが。