日銀金融政策決定会合への期待は疾うに薄まり、存在感がありません。

逆に下手に動けば、市場をかく乱してしまいます。

 

 黒田総裁就任以降、異次元緩和を続けてきました。

 下に、長期国債やETFの買入推移を示します。

 '13/4に長期国債を年平均50兆円買入れる策を公表し、FRBの第3弾QE政策とは今って株価は急上昇しました。

 

 市場へのインパクトが薄れた'14/10にはサプライズの追加緩和で、長期国債を年平均80兆円買入に引き上げ、株式市場においてもETF買入3兆円/年とし、さらに株価が上昇しました。

 '15、'16年の中国ショック後の'16/7に、ETF買入を6兆円/年に増額し、トランプ就任効果と相まって、第3弾の株価上昇を演出しました。

 しかし、やり過ぎだったようで、長期国債の保有比率50%が目前となり、'16年暮れ頃から、長期国債の買入ペースを密かに低下させ始めました。

 市場ではステルス・テーパリングと呼ばれていますが、この動きは3年たった今でも続き、昨年末では一年前から16兆円弱しか増加していません。

 

 一方のETF買入は'19年後半まで、ほぼ6兆円/年のペースを続けてきましたが、10月頃からスローダウンに。11月、12月は前年同月から5兆円割れの増加に落ちています。

 ETF買入も、公然と目標未達となるステルス・テーパリングに突入したようです。

 日銀がサポートにならないと、25,000円への道は遠いのか・・・

 

 今年後半の景気後退(?)に備えて、少しでも弾を温存しておく戦法?

 日経平均株価は昨日、24,000円台を回復しました。昨年はこの水準に到達したものの、底を固めることができず、逆に大きく底抜けしてしまいました。

 今は、日米欧中銀の緩和姿勢の中、大統領選挙前で米中対立も一時休戦となり、米国は中東地域にも深入りはしない様子。S&P500指数のEPS予想も9%前後と高く、日経平均株価が大台を維持し続けるには絶好のチャンスです。

 

 米国株式3指数が最高値更新はFRBの緩和姿勢が原動力となっています。昨年後半の予防的利下げに引き続き、11月からは量的緩和もどきが相場を支えていますが、今年は既に静観を決め込んだようです。

 市場にとっては利上げがなければ、十分といったところでしょうか。

 

 下図は、ダウ平均株価と米国10年債金利の長期推移を示しています。左右両軸ともに対数軸で、右側の金利軸は上下反転させています。

 1980年以降でみれば、金利は完全に低下トレンドにあり、ダウ平均株価は金利の倍のスピード(金利が半桁下がれば、株価は一桁増加する)で上昇してきました。

 以前の予想通り、今年'20年にはダウ平均株価は$30,000に到達することでしょう。そして、この傾向が続くなら、今後10年で'30年には$60,000に?

 

 '18年後半の利上げによる株価ショックを経験して、パウエル議長は利上げをやりにくくなってしまいました。しかし、米国の経済成長3%を目指すなら、10年債金利3%は当たり前でしょうから、長期金利も1.5~3%のレンジ相場が続きそうにも思われます。

 一方、'30年株価の破線が達成されるためには、平均して1.2%程度となる必要があるので、上記の高めレンジ推移なら、もしかしたら4~5万ドルの頭打ち状態なのかも。

 

 ミクロに見れば、金利の上下動と株価の相関は小さいですが、'80年以降のマクロトレンドがいつまで続くのか・・・

 年始早々、米国・イラン間がきな臭くなり、市場を揺り動かしています。

 世界の国々がほぼ全て自国第一主義に走るようになり、国連は機能を果たせず、無秩序化の一途を辿りそうです。

 中東地域での米国関与の紛争には湾岸戦争やイラク戦争がありました。

 湾岸戦争では、イラクのクウェート侵攻を元に戻すために、国連決議の後、1991年1月17日に攻撃が開始され、1ヶ月強後の2/23にクウェートが解放されました。

 イラク戦争では、大量破壊兵器疑惑から、国連決議なく、米英部隊が2003年3月17日にイラクへ侵攻、主要都市を制圧して、2ヶ月後の5/1に、当時のブッシュ大統領が終結宣言を出しました。

 

 この当時のダウ平均株価の推移を下図に示します。

   (ダウ平均株価: 左軸は1990-91年、右軸は2002-03年を示しています。)

 湾岸戦争前、当時GDP第2位の日本のバブル崩壊も相まってか、ダウ平均株価は$2,500~3,000のレンジ相場。戦争開始直後に株価を戻し、力の誇示に気を良くしたのか、終結後も高値圏での推移となっていました。

 

 イラク戦争前は、ITバブル崩壊の余韻を引き摺ったまま、$8,000割れ状態でしたが、開戦後から値を戻し始め、'03年は右肩上がり。こちらも高揚感からなのか・・・

 

 今回のイラン騒動の根底には、'79年米国大使館占拠事件の私怨があるようで、終結の道筋は見えていません。

 せめて、お互いの挑発がエスカレートしないことを願うのみ。