先を読む市場は、米国感染者数のピークが近いとの談話により一昨日に急上昇しました。昨晩は急上昇の反動での利益確定やNY州の死亡者数増加もあり軟調でした。

 

 日本市場は米国コピーですので、緊急事態宣言にも無関心です。

 その緊急事態宣言も大型連休までですが、他国の事例を見れば1ヶ月で収束する可能性は低く、もう1ヶ月は必要に思えますので、それをいつ織り込むのか。

 

 米国のコロナウイルス支援・救済・経済保障法の財政出動が2兆ドルという凄まじい規模。

 下図に、米国政府の債務総額とダウ平均株価の長期推移を示します。直近の債務額が

約2.4兆ドルですので、財政規模の大きさに驚きです。

 もちろん、真水部分は約1兆ドルとも言われています。総額2兆ドルを額面通りに織り込むことはできないものの、1兆ドルでも大きな額です。

 

 過去の推移では、ダウ平均株価はほぼ米国政府の債務額に追従してきました。ここに例えば1兆ドルの負債増ともなれば、ダウ平均株価の行きつく先は3月安値の倍にもなります。

 これなら、ピークが見えると言われれば、大幅に買いが入るのも当然のことでしょう。

 

 このままV字となるのか、はたまたW字を経験せざるを得ないのか、こればかりは感染動向次第。

 市場の期待・希望は、このまま収束なのでしょうけれど。

 

(補足)画像修正しました

 新型コロナウィルス感染者数の増加に歯止めがかからず、さらに専門家会議の危機感が最大となっているにもかかわらず、自粛要請にとどまっていることに疑問を感じぜざるを得ません。

 

 感染者数が日々発表されるものの、この先どのくらいまで増えるのかに関する情報が見当たらないので、下記の情報をもとに推定しました。(あくまでも個人的な見解です。)

 

 感染者数の累計値はNHKのホームページ、新型コロナウィルス特設ページ上のデータを用いています。

 感染者数の予測値には、厚労省が3/6に事務連絡している「新型コロナウィルスの患者数が大幅に増えたときに備えた医療提供体制等の検討について(依頼)」文書中の、ピーク時の患者数計算式を用い算出しました。ここでは22.5万人を用いました。

 (この22.5万人、NHKでは23万人を使っていましたが、厚労省資料中では「ピーク時において1日あたり入院治療が必要な患者数」としか書いておらず、最大とは言及していませんので、累積患者数はもっと多いことを想定しているのかもしれません。)

 尚、感染者数の分布は正規分布を仮定しました。

 

 国内の累積感染者数は、2月から3月初めまでは緩やかな上昇傾向を示しました。この範囲で最大感染者数22.5万人となる累積正規分布を当てはめると、σ=30日となります(薄い青線)。

 

 3月中旬に、やや増加傾向が緩慢になりましたが、これは2/29に学校休校等の緊急メッセージが出て、国内に緊張が走り、一旦自粛ムードが高まり、その効果が表れたものと推定されます。

 しかし、自粛から2週間もたつと自粛疲れなのか、その辺りからの影響が3月後半から現れ始めています。累積感染者数が再び増加をはじめ、薄い青線を約1週間シフトさせた青線上に打点されるようになりました。

 

 3/30に都知事会見で、更なる自粛要請が出ましたが、この効果が表れるには、あと1週間ほど待たねばなりません。

 その間も、青い累積正規分布の推定線上で感染者数の増加が続くことが予想され、来週中にも5,000人を突破することが想定されます。

 

 上図には1日当たりの感染者数を示しました。

 何の対策もなければ延々と感染者数は増加し、6月には日々3,000人もの感染者数すら見込まれます。

 

 緊急事態宣言でどうなるというものではありません。

 でも、三密が重なることを避けるのではなく、3つの密の各々を避けることを徹底するためにも、早急なる宣言対応が必要と思われます。保障措置は後付けでも先ずは。

 

 世界中で前例のないほどに経済活動が停止となり、これがいつまで続くのか。

 感染者数は依然、増加を示し、社会距離の効果が表れるのはもう少し先なのでしょう。

 一方で、市場は、中国での経済活動の再開報道を参考に、ほかの地域でも半年先には回復傾向がみられるだろうとの期待で持ちこたえています。

 

 前例は全くあてにならないものの、日経平均株価の推移を過去の暴落時と比較してみました。下図に、'90年バブル崩壊、'00年ITバブル崩壊、'08年のリーマンショック時と、今回3月が一旦の底値と見て、底値を基準に比率で書き直した株価推移を示します。

 '90年のバブル崩壊時、4月と10月に大きな下落が見られましたので、各々分けて描いています。

 今回は、下落の比率でみれば、リーマンショック時よりもまだ小さいのですが、それ以外の事例に匹敵する下落であったことがわかります。

 一旦底を付けた後、今回の株価に合せれば、17,000~21,000円の水準で数ヶ月間推移し、2番底を試しに行くことが多いようです。過去の3事例が集中しているのは7月下旬。恰も4-6月期決算発表に向けて、落ち込んでいくような形です。

 

 今の市場は、景況感指数の悪化は既に織り込んだような雰囲気で、無反応が続いていますが、業績は十分に織り込めているのかどうか。