ポストコロナの経済活動は平時の7割にとどまると言われています。それがどのくらい続くのかがわかりません。

 

 下図は、日経平均株価とEPS、BPSの推移を示したものです。EPSが'09年リーマンショック時を大きく上回る落ち込みとなりましたが、ここにきて値を戻し、昨日時点で1,073と、新型コロナショック前の約6割まで戻しました。

 リーマンショック時、EPSの戻りは鈍く、2年経た時点でようやくリーマンショック前の71%に戻りました。当時は金融ショックゆえの戻りの鈍さと思われます。

 今回は消費者、市民における感染への不安感が払しょくされない限り、経済活動はなかなか元に戻りません。まして、欧米との行き来はまだまだ見通せません。

 

 もしも7割回復ですと、EPS=1,274と物足りません。

 大盤振る舞いのPER=15倍でも日経平均株価は19,110円とBPS=20,453円を下回ります。

 

 今回は金融ショックでない!…ことから、経済活動はさっさと8割くらいは回復できると見込めば、EPS= 1,435。これなら、PER=15倍で日経平均株価は21,540円。

 

 ああ、なんとも今の株価水準は、そこまで織り込み済ということですか。

 もう一段の上昇には、感染症対策を忘れるほどの特効薬やワクチンが実用化される必要がありそうです。

 

 ここから上はオーバーシュート域なのかな? PER=15倍前提も高すぎだし。

 ダウ平均株価はワクチン治験に一喜一憂。それでも経済再開への期待から高値圏で推移しています。

 前回、記載した通り、実体経済とはかけ離れ、FRBに支えられた金融相場の様相です。

 

 下図は、各中銀の資産規模と株価の長期推移を示しています。

 ダウ平均株価はリーマンショック以降のFRBによる量的緩和政策の規模を追従する形で、株価の回復傾向が続いてきました。

 

 '16年11月のトランプ勝利以降は、FRBの資産規模正常化の流れのも関わらず、株価優先の経済政策に乗り、今年初めまで空前の高値を記録してきました。

 

 新型コロナウィルスによる経済封鎖によって、ダウ平均株価は一時 '16年暮れ水準に落ち込みましたが、FRBの超緩和政策による"安心感"で、現状水準となりました。

 

 確かに、FRBの現状の資産規模からすれば、ダウ平均株価$24,000はありえそうな水準です。これもじゃぶじゃぶマネーに支えられた結果。

 さらに、パウエル議長は景気回復まで政策を続けるそうですから、、少なくとも$28,000、いや$30,000到達までは政策の現状維持ないしは追加政策を打つことでしょう。

 

 一方の日経平均株価は、このダウ平均株価追従ですので、ダウ平均株価/100の為替換算の8割で推移することに。

 今日は弱含んでいるものの、日経平均株価も半値戻しを達成し、”半値戻しは全値戻し”となるのかどうか。

 

 そもそも半値戻しとなるほどの先行き期待感に驚きがあります。

 下図は、米国の実質GDP伸び率とダウ平均株価の前年同月比推移を示したものです。従来、ダウ平均株価の前年比は実質GDPに寄り添って動いてきました。

 そして、今回、この数十年経験したこともないほどの経済停止状態に対し、株価の反応は鈍感です。

 1-3月期の実質GDPは-4.8%でしたが、米国議会予算局の見通しでは、4-6月期は-39.6%と大きな落ち込みが予想されています。もちろん株価はそれは織り込み済。7-9月期の+23.5%予想が支えで、4-6月期の大底はもう無視です。

 

 これで今の株価水準が正当化されたわけでもなく、市場の気分次第。

 その米国議会予算局の20年見通しは-5.6%ですので、半年先の経済を見るにはこの数字なのでは?

 と、'90年以降の米国実質GDPとダウ平均株価の相関から推定すると、ダウ平均株価は$21,500前後になるのですが・・・今はちょっと戻しすぎ?

 

 まあ、今の株価水準のように、高めに推移した方が市場にとっては良いのでしょう。

 あとは、欧米における感染者数の減少傾向が続いてくれることを願うのみです。

 WHOのデータから作成した、各国の1日毎の感染者増加数の推移を下記に示します。

 

 日本も日々100人以下の状態が継続されるようになり、自粛効果が明確に現れてきました。ようやく、ピークを過ぎたと言える状況になってきましたが、米国は???

 図中の点線は中韓両国の感染者増加数減少傾向を模して記載したものですが、米国がこの線に沿って動けるのかが焦点でしょう。

 

 そして、第2波、第3波が来ないように。