大統領選挙は、もう織り込みが済んだのでしょう。

 さすがに今回は・・・と思いたいものの、結果が大差ではなく接戦に持ち込まれた場合には、法廷闘争や下院選挙となって大逆転劇のシナリオもあるらしい。

 そのような不確定要因が現れれば、市場の上昇トレンドに水を差しそう。

 

 下図は、再三提示しています大統領選年の日経平均株価動向を8月時点で規格化した図です。

 今年の推移は、直近2012年と2016年の推移に似たように進んできました。これは過去5回の選挙年の平均(Ave.)を上回っており、Ave.+σ を追従するかに見えます。

 ここまではバイデン勝利を織り込み、新型コロナ禍では増税先送り、財政出動ありきの都合の良いストーリ展開を見越した株価上昇となっています。

 11月選挙当日までは23.5~24千円のレンジでで推移が予想されるものの、過去2年の結果にあるように、選挙結果で利確の動きとなり、22.5千円近傍までの下落も想定されます。

 選挙結果へのいちゃもんが付きにくければ、11月後半は再度上昇ペースに復帰する?

 

 日経平均株価は、ひと月以上にわたり23.3千円前後のレンジをうろうろしてきました。

 これも大統領選挙の不透明感ゆえでしたが、トランプ氏の感染によりバイデン政権誕生の可能性が高まり、選挙前にして霧が晴れそうな雰囲気です。

 そうすると、この膠着状態から上抜けとなり、年末には24~25千円を目指すことになるのかも。

 

 短期的には、不透明感が解消し、新政権(?)期待が高まっての株高が予想されるものの、中長期の視点では、世界市場に日本市場が出遅れる可能性が拭えません。

 下図は、日米の名目GDP比と株価指数比の推移を示しています。

 

 名目GDP比は、この新型コロナ禍の中で下げ止まっているものの、'09/12比で既に2割も米国との差が広がっています。

 一方、日経平均とダウ平均株価の比(赤三角印)も、このGDP比を挟んで上下しながら8割強の水準にいて、例え、ダウ平均株価が$30,000に達しても日経平均株価は24,000円そこそこ

との雰囲気を匂わせています。

 株価を為替換算した比率では、10年以上も何故か名目GDP比にほぼ寄り添う形で推移してきており、日経平均株価が為替の影響を大きく受けてきたことを示しています。

 

 株価比が名目GDP比から大きく下振れする前に、米国の景気後退期があったことに注目せざるを得ません。

 逆に言えば、景気後退期からの回復時期におけるダウ平均株価の上昇スピードに日経平均株価が追従できなかったと言えるでしょう。

 

 今回、'20/2から米国は景気後退期に入っていますが、今年4Q以降は成長率が改善する見通しであることから、来年は回復期になりそうです。

 そうすると、来年、ダウ平均株価の上昇が予想される中で円高の圧力がかかってしまうと、日経平均株価はおいてけぼり?

 全ては菅政権次第。舵取りを誤れば、'09以降の悪夢が蘇ってしまう・・・

 

 連休中に進んだ円高がやや落ち着き、欧米の株価急落の影響を最小限にとどめています。

そして、どちらかと言えば、日経平均株価は非常に緩やかながら上昇トレンド継続中。

 

 下図は、米ドル換算した日経平均株価とダウ平均株価の推移を示しています。米国から見れば、日経平均株価はこの20年間での最高値更新中です。

 正しくは'90年7月以来の高値域にあり、あのバブル崩壊以来の水準に戻っています。

 当然、新型コロナショック以前の水準を超えており、NASDAQ同様、どこまで上昇するのか天井知らず。

 前回示したように、ドル円為替は日米実質金利差の観点からすると、まだ円高が進む可能性を残しており、それを勘案すると、米国からの資金注入があっても不思議ではないように思えます。

 

 しかし、この図をリーマンショックの頃から見返せば、'14年以前まではダウ平均株価とドル換算日経平均株価はほぼ同水準で推移していたことがわかります。'14年以降、徐々に両者の溝が大きく広がり、今に至っています。

 

 '15年をピークに、海外投資家は日本株の売り越しに転じました。'14年10月の日銀サプライズ追加緩和から、海外投資家の雲行きが怪しくなりました。それが、溝を広げた要因のようです。

 

 日銀の異次元緩和政策は'13年にETF買入を1兆円/年とし、'14年に3兆円/年に引き上げました。いわゆる公的資金による株買いを毛嫌いし始めたのかもしれません。

 日銀のETF買入政策は、'16年の中国ショック後も強化され、6兆円/年と倍々ゲームに走り、実態からかけ離れた無駄な政策に変貌しました。

 

 そのツケが、今回の新型コロナショックで露呈し、3月中旬には含み損状態になってしまいました。慌てた日銀は何と12兆円/年のETF買入政策に走り、3月末の株価を辛うじて含み益状態に戻したのです。

 

 こんな官製相場に海外投資家が真剣に付き合うはずもなく、GAFAMで潤う米株から周回遅れとなる三流市場になってしまいました。

 海外投資家はまだ3割近い株式保有率を保っていますが、嫌気が継続すれば、やがてこの3割分の株式すら、いらん!と言い出すかもしれません。

 

 時代も生活様式も変わったのですから、日銀の既存政策も変更すべきでしょう。

 それで円高が進めば、ドル換算での日本人の給与が上昇し、何もしなくても生産性も向上したように見えます(笑)。