大統領選挙の不透明感が払拭されることを見越して欧米株が急上昇。10月末が底となった様相です。お祭り選挙で休業中の間に、中国では五中全会が開催され、2035年までにGDP倍増の目標を打ち立てました。

 

 下図は、米中両国の名目GDPの推移をドルベースで示しています。コロナ禍で急減したものの、米国の名目GDPは約21兆ドルにあり、これを中国の名目GDPが急追しています。

 五中全会での新目標により、中国の名目GDPは2035年に28兆ドルになります。

 一方、米国議会予算局が公表している米国の名目GDP推定では、なんと中国名目GDP増加傾向と並行する形でGDPが増加する想定になっています。この傾きでも過去20年間の平均成長率4.1%よりも低い成長率見通しになっています。

 

 米国はまだまだGDP1位の座を中国に渡すことはないでしょうけれど、米国議会予算局の予測通りに増加ペースを守れるか難しく、誰が大統領になろうとも、中国叩きを継続的に行うことは必然です。

 参考に日本のGDPも併記しましたが、今後も5兆ドルを維持することすら難しく、米中との経済規模の格差が広がることを前提に産業構造を考えなければなりません。経済規模を背景とした中国の日本に対する横暴は更に度を増すことでしょう。

 

 某ノーベル賞受賞者が日本の研究費不足を嘆いていましたが、研究費がGDP比で予算化できたとしても、もはや米中の3、4分の1しか取れないのは致し方ないこと。札束を釣られて中国に渡ることを止めるのも難しく、今後、ノーベル賞受賞者が減少していくことは受け入れなければなりません。

 このような状況となったのは、国内企業収益優先の日銀・政府施策にあり、円安誘導したこと。市場経済に任せて超円高50円/ドルにでもなっていれば・・・

 残り1週間、様子見が続くのでしょうけれど、その後、年末に向け上昇に向かうのかどうか。

 今日は、米国の現金流通額とダウ平均株価の推移を比較してみました。

 

 リーマンショック後、米国における現金流通額は直線的に増加してきました。'10/1から'19/12までの10年間で、0.9兆ドル増加しました。

 日本も同様に、'12年以降は直線的に増加の傾向が見られています。キャッシュレスが推進される中、現金の需要は根強いようです。

 ダウ平均株価の推移を重ねてみると、両者とも経済規模の拡大に関連する指標ですので、同様の推移となっているのは、当然のことと思われます。それでも、現金流通額の推移がダウ平均株価の推移よりも振れが小さく、ダウ平均株価はやはり市場心理に振らされてきたことが読み取れます。

 

 '17年以降、ダウ平均株価の推移が現金流通額の推移を大きく上回って推移してきましたが、これは当時にも指摘されてきたように、過剰資金が流入した結果なのでしょう。

 そして今、ダウ平均株価が3月底値から復活し、$27,500前後の水準にいます。しかし、急増した現金流通額からすると、居心地の良い水準のように見えます。

 

 この先、大統領選挙を通過した後、再度、給付金が配られるようになれば、・・・

 大統領選挙はほぼ確定的で、織り込済みとなり、混乱というリスクに備えているだけ。

 選挙後の財務相人事次第なのでしょうけれど、新型コロナ禍が収まらない以上、財政拡大路線は止まらないはず。

 

 今回の新型コロナ禍の初動が功を奏したのか、ISM製造業指数の落ち込みはリーマンショック時に比べ軽微にとどまりました。

 下図は、各月のISM製造業指数から判断基準の50を差し引いた値の積算値とダウ平均株価の推移を示しています。

 ダウ平均株価とISM製造業指数 - 50 の積算値(以下、ISM積算値とします)が付かず離れずの関係にあることがわかります。そして、リーマンショック時に積算値が大きく落ち込みましたが、今回の落ち込みは窪み程度の小さなものになったことがわかります。

 これも給付等の財政出動やFRBの超低金利政策の効果と思われます。

 

 今年3月の急落以降、ダウ平均株価は急回復し、ISM積算値推移を大きく超えて株価は元の水準に戻っています。

 しかし、乖離の幅は、過去の推移からすれば上限域にあり、これ以上急上昇するのは難しそう。

 

 ISM積算値の増加は、'09/7以降の平均で約+4ですので、ISM製造業指数は月々54が平均的な値です。

 もし、ISM製造業指数が今後55で推移したと仮定した場合の予想線が水色の直線です。

 これに並行してダウ平均株価が推移したとしたら、安定的に$30,000を超えるのは'21年後半になります。

 

 株価は一年分以上先食いしているようにも。

 米国民主党の大きな政府政策が今のバブル状態をさらに加速させることになりそうな。そうなっても、バブルの張本人として歴史に名を残すのはパウエル議長なのでしょうね。