パウエル議長は出口議論は早すぎると言及しても、各中銀のテーパリングが懸念されます。ワクチン接種が進めば、景気改善が見込まれるはずなので。

 

 先日の日経にFRBがテーパリングに動いているフシがあるとの記述がありましたが、FRBの資産状況を見ると、それほど懸念される動きには見えませんでした。もちろん、国債購入額は昨年4月時点に比べれば大きく縮小されたものの、7月以降では150~200億ドル/週の増加額が続いています。

 

 実際、下図に示す各中銀の資産規模の推移でも、FRBの資産総額は、昨年6月以降、緩やかな増加傾向を続けており、テーパリングの気配は見られません。

 それよりも、日銀やECBの資産規模がすでに頭打ち状態にある方がいささか懸念です。

 ダウ平均株価は、3中銀の総資産総額と強い相関関係を持っています。中銀個別資産との相関は見られないものの、昨年の資産規模急増に、ダウ平均株価はまだ追いついていません。

 3中銀資産総額の推移からすれば、恐ろしい話ですが$40,000も射程圏内です。上図の各中銀の資産推移から見ても、$35,000がありそうな雰囲気です。

 

 バブル懸念と言われ、高値警戒感が強いために、そこまでは上昇しそうにありませんが、ワクチン波及による経済活動復活となれば、この先、中銀資産規模が横這いとなっても、株価はそこに追いつこうとするでしょう。

 

 先週の急落はSNSによる株価操作を嫌気した動きでした。しかし、昨年来の株価上昇局面において、本格的な調整局面はまだ見られていません。

 大きな調整が入るか、疑心の中で、スルスルっと上昇してしまうか・・・

 高値警戒感の中でも、業績改善期待での株価上昇が続いています。

 企業決算を好感するのか、材料出尽くしと見なされるのか難しいところですが、金融緩和継続と更なる給付金が期待される中、軟調になれば、そこは押し目のような...

 

 下図は、2013年以降の日経平均株価の動向を1月大発会終値で規格化して示しています。

 一番先に気付くのは、暖色系の株価上昇年がすべて奇数年であることです。2017年だけは1月~3月を通して横這いでしたが、その他の3年は右肩上がり。

 そして、今年の今までの推移が、これら3年の推移の中でも大変良いパフォーマンスとなっています。更に、2013年の安倍政権発足後の株価上昇ペース(米国QE3の効果が大きかった)に匹敵もしくは上回っていたことも驚きです。

 

 これら3年の推移に追従して動くとすれば、3月には30,000円突破して年度末を迎えることになりそう。そうなるかどうかは、やはり、米国におけるワクチン接種が進むことと、感染拡大が抑えられることに尽きるでしょう。

 

 素地としては、FRBのQE政策が継続されていること。

 ECBや日銀を含めた中銀政策の総額から見ると、ダウ平均株価が$33,000に到達しても不思議ではなく、為替換算や過去の日経平均株価とダウ平均株価の比率から、日経平均株価30,000円は射程圏内。

 全てはお上の政策によるものであって実体ではないような。

 

 株価の高値が実体から乖離している…と不安視していたのは'18年の正月でした。

 もう行き過ぎていると誰もが思っていた中、金利上昇がきっかけ?で、2/2と2/5の両日で大きく調整しました。

 

 要因は金利とも、雇用統計結果、パウエル新体制とも言われましたが、真相は闇の中。調整には理由など不要で、市場の気分次第なのでしょう。

 下図は、その'17~'18年と最近のダウ平均株価と米国10年債金利の推移を示しています。

 '17~'18年も'17年4月以降、ダウ平均株価が大きな調整もなく上昇を続け、そこに'17年末のFOMCでのタカ派的内容や原油高によるインフレ期待が増し、金利上昇が株高を支え切れずに、2/5には一時、当時の史上最大である$1,500を上回る下落を記録しました。

 

 コロナ禍での3/9の$2,000超の下落や3/16の$3,000超の下落は、上記の記録を更新したものでした。尚、これらの記録的な下落が米国の月曜日に起きていたことは記憶にとどめておいた方が良いような。

 

 一方、今年のダウ平均株価も昨年3月底値から強弱はあるものの、上り調子のまま。ダウ平均株価は$30,000を超え、当面目指す先が見当たらないような。

 そこに、最低水準だった長金金利も緩やかに上昇し始め、1%を超え、1.2%が危険域とも話されるようになっています。

  

 それでも、'17~'18年事例に比べればまだまだですが、超低金利状態にどっぷり浸かっていたので、この金利上昇が続くと、借金が重荷になってきます。

 雇用統計後の2月最初の月曜日は8日ですが、無難に通過できるかどうか。