㊽兵庫県知事パワハラ問題がはらむ闇

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画

歩かされて激怒した区間は“車進入禁止” 兵庫・斎藤知事“パワハラ”疑惑「業務上

 必要な指導だった」 読売テレビニュース  2024/08/28 0:42

 この知事には沢山の問題があるが、これだけでも十分知事の資質が問われる案件。視聴させて議論すると面白いだろう。

斎藤知事の罪「公益通報者保護制度」について深堀り!一部疑惑を認める

 マスコミの責任も 長谷川良品「テレビ悲報ch」 2024/07/19  19:47

 斎藤知事が3月に「嘘八百」「公務員として失格」などと証拠を提示することなく一方的に批判すること自体が公益通報者保護制度に違反する行為であり、まして停職三か月の処分を下したことは重大な問題、さらに通報者を特定するに至った知事側の動きもまた違反行為であるとの指摘は非常に大きな意味を持つだろう。

【解説人語】匿名告発者を捜して処分 兵庫県の対応に違法性は 知事自身が調査

 を指示 3つの問題点を解説 朝日新聞デジタル  2024/08/08  6:05

 斎藤知事らにどんな公益通報者保護制度への違反が疑われているのか、3点に要約されていて理解しやすい。

【告発者が残した「音声データ」】知事パワハラ疑惑告発した職員死亡 パワハラ

 行為を具体的に記した陳述書を残す 「主人の行動を無駄にしてはいけない」 兵庫県

 斎藤知事〈カンテレNEWS〉 カンテレNEWS 2024/07/15 8:53

批判文書問題を巡り片山副知事が辞任の意向 「知事にも辞職を促した」

 サンテレビニュース 2024/07/12  2:18

 まだまだ事実関係が判然としない部分はあるが、このところ頻発している地方の首長や議員によるパワハラ、セクハラ問題の一例としてその動向に注目すべきだろう。特に神戸市を中心とする兵庫県での学校教育問題の深刻さと県や神戸市の行政との関りが気になる点である。

【兵庫県・斎藤知事】東大出のエリートは性格が悪い?

 和田秀樹チャンネル 2 2024/09/14  8:41

 極めて常識的な論理で兵庫県知事の問題を総括している。これを機に保守派の論客が受験エリート叩きをするのは完全な間違いであって、就職先での職場環境と本人の性格との組み合わせとの結果が就職後の社会的評価に大きな差異を生み出しているに過ぎない。受験エリートに多種多様な人物が含まれているのは当たり前の事であり、斎藤知事は総務省という悪い環境の中で、しかも元来が尊大な人間性を持っていたからこそ、知事となってからパワハラ問題を引き起こしたのだと考えるべきであり、この問題を悪用して受験エリート全体を攻撃するのは確かにお門違い、筋違いである。むしろエリート教育の不足こそが日本の停滞を招いている原因の一つだという指摘にも納得感はある。

 学校教育における「落ちこぼれ」問題の裏側には「出る杭は打たれる」とばかりにエリートを叩くがごとき深刻な「ふきこぼれ」問題がある。日本社会は上位層として、あるいは下位層としていずれもできるだけ目立たぬよう、両者に多数派の中間層への過度な忖度、同調を強いる。そして社会の成員はなるべく中間層にとどまる、あるいは成員を中間層にとどめようとする力が強く働く傾向は日本全体に少なからず見られるだろう。

4つの選択肢 兵庫県知事の決断は? 解散なら県政史上初

   FNNプライムオンライン 2024/09/19 8:43

   これは民主主義とは何なのかを考える上で格好の動画であろう。ぜひ、授業で視聴させて討論に持ち込みたい。まず兵庫県知事らの不祥事は知事らを辞職させ、新しい知事を選ぶだけで本当に済む話なのだろうか、さらに知事選プラス県議選は費用がかかるので県議選を不要だとするような白鳥教授の意見にも賛否を問うてみよう。

 また兵庫県民の中にはこの状況を「恥ずかしい」と捉えて知事の辞任を要求する意見が多数あるようだが、はたして兵庫県民に恥ずかしい思いをさせてしまったのは本当に知事たちだけなのだろうか?こちらも問うてみたい。

 仮に主権が国民にあるとするならば、政治の腐敗や失敗は不適切な政治家を選んだ国民にも少なからぬ責任が及ぶはず。この知事を選挙で選んでしまった兵庫県民の責任と、この知事を推薦した自民党及びこの知事を担いだ維新の会の責任はいずれも極めて重いはずである。したがって今後、知事選を行うだけではなく、知事を担いだ自民党及び維新の会、さらには県民の責任を問うべく、直ちに県議選を行って県民の反省を促すとともに県政、県議会の一新を図るのはむしろ兵庫県としてマストの対応ではあるまいか。

 民主主義の基本が国民主権であることは言を俟たない。日本が国民主権の民主国家であるならば国政失敗の責任はまず不適切にも不出来な与党を選んでしまった点で、一義的に国民が負うべきである。また知事の不始末を県民が尻拭いするのは民主主義の原則に沿う、県民としての当然の報いであろう。したがって知事選、県議選併せて30億円余り要するとしても、それは民主主義的観点からは不可避の支出であり、その結果、県民の負担が増えてしまうのはむしろ当然の報いとすら言えるだろう。

 いや、斎藤氏がこんなことをするとは知事選の時には思いもよらなかった…という県民の言い訳は今更通用するわけがない。安芸高田市を見ればこの理屈はよく分かるだろう。石丸氏の後を受けて新市長に当選したのは石丸氏が激しく批判してきた清志会のメンバーであった。当然の成り行きながら清志会の新市長はそれまでの石丸市政を次々と否定し、再び、市の財政が悪化するような市政の改悪に続々と着手しているようだ。その結果、先々北海道夕張市のように財政破綻し、安芸高田市が一気に荒廃してしまっても、その責任は現市長を選んでしまった市民にいずれはのしかかる。これも当然の報いであろう。

 知事選、県議選の二つの選挙を行って兵庫県の財政が傾いたとしても、それは兵庫県民が県政の当事者意識、主権者としての自覚を欠いてしまっていたせいであろう。知事へのリコール運動を起こす素振りすら県民が見せてこなかったツケが県民に回ってきたに過ぎない…国民主権が本当に成立している国ならば、それ相応の結果責任を選挙民たる国民が負うのは原則として避けられないはずである。

 では生徒たちに最後に究極の質問を投げかけたい。はたして日本国民には本当に主権があるのだろうか?もしも日本の国民には主権が実質的かつ十全に保障されていない…ということであれば、以上の主張の論拠はほとんど崩れてしまうだろう。

 まずは日本国民が主権を持つと規定されているはずの日本国憲法第一条をもう一度確認してみよう。この条文の規定に不自然な部分はないのだろうか?また国民が持つとされる主権が実質的に機能するためにはどのような条件(知る権利の保障等)を満たしていなければならないのだろうか?日本国は現在、その条件を十分に満たしていると言える状況にあるのだろうか?

 以上の検討をしてみた結果、仮に日本国民には十分な主権が保障されていないとすれば、日本国の場合、主権の有無や主権の所在自体も問われなければなるまい。実際に日本の主権が国民には十全に認められていないとすれば、日本の主権は一体どこに分散されて存在するのだろうか?核兵器の持ち込みや米軍基地問題に見られるように実はアメリカ側にも日本の主権の重要な一部が委ねられてはいないのだろうか?

 ここまで問いを重ねてくると、私たちが一方的に兵庫県民の責任を問うこと自体、妥当なことなのかどうか…かなり迷いが生じてくるはずである。

【兵庫県の斎藤知事】高校生からの手紙"応援メッセージ"紹介 心理状況に専門家

 「自分に都合のいい情報を取り入れる確証バイアス」【出直し選挙決断で会見】|

  アベヒル ABEMAニュース【公式】  2024/09/27  12:09

 確かに斎藤氏の会見から、心理学の専門家ならば彼の心理的状況をある程度まで読み取ることはできそうだが、この件において本質的な問題はそこには無いだろう。確かに「確証バイアス」という認知の歪みを知ることは有益だが、ここでは肝心な問題から市民の目を逸らせてしまう危険性があるので触れない方が良い。

 大切なのは番組の後半に出てきた中室氏の指摘の方であろう。まずはマスコミが斎藤氏の「おねだり」に対して世論を煽るような報道を繰り返している点を批判し、パワハラや公益通報制度への違反行為に焦点を当てて報道すべきであるとの指摘は極めて的確であると思うがいかがか。

 また中室氏が紹介したメキシコでの研究成果は非常に示唆に富む、大いに参考となるものだろう。地方政治家の不祥事、スキャンダルの報道が長引くことで高校生の万引きやカンニングがどうやら有意に増えたとのことである。すなわち政治家のスキャンダル報道は結果的に「社会的に成功するためには多少の不正も許される」というヤバイ認識を若者に植え付けてしまうらしい。

 日本の若者の政治離れの背景にも、政治家たちの不正、スキャンダルが続々と発覚する日本の現状があるのではないか。特に兵庫県ではかの「号泣議員」や差別発言を繰り返す裏金議員…といった政治家のスキャンダルや今回の知事の問題だけではなく、神戸市を中心にかなり以前から学校教育の極めて深刻な問題が相次いで報道されてきた。

 現在、神戸市から明石市などへの若い世帯の人口流出が話題にのぼってきたことをも考えあわせると、兵庫県での児童生徒、若者の心がこうした報道によってどれほど蝕まれてしまうのか、大変気になるところである。加えて齊藤氏は失職して「出直し選挙」に臨むことになった。齊藤氏のこの厚顔無恥さ、傲慢さが今後さらに若者を政治から遠ざけ、児童生徒の精神的な「荒れ」が増大してしまう危険性を個人的には強く感じるのだが、いかがか。

 古くから言われる通り、子どもや若者は大人たちの背中を見て育つ…であるならばタイミングとして既に遅きに失している感は否めないものの、兵庫県民、神戸市民の大人たちが主権者としての何らかの社会的動きを起こさないと、神戸市のみならず、兵庫県全体の人口流失が早晩、若者を中心にして一気に加速するかもしれない。

兵庫 斉藤問題の本質は何か <泉房穂 前明石市長>【ニッポンの崖っぷち】デモク

   ラシータイムス  2024/10/01 1:00:13

   斎藤知事の公約達成率が90%超えている、という情報は間違いであり、公約着手率が90%だということで、実際には公約のほとんどが3年経ってもまったく達成されていないという。したがって公約の件で斎藤氏を擁護するのはどうなのか、という泉氏の指摘は無視できない。マスコミの「おねだり」に偏る甘めの報道に対してこれは明らかな権力犯罪である、とする泉氏の主張をどう評価するのか、議論させたい。

【10/5】一刻も早く気づいてなぜマスコミは報道しない?【斎藤前知事】

 日本の政治 研究室 2024/10/05 12:27

 論点が上手に整理されており、非常に分かりやすい。この問題のまとめとして視聴させると効果的だろう。

 

参考記事

<独自>告発した元局長の私的情報漏洩か 兵庫知事側近の前総務部長ら 県が調査検

 討 産経新聞 2024.8.29

 内部告発者を自殺に追い込んだ、最大の原因となる卑劣な犯罪行為を斎藤知事らが行っていたことが分かりつつある。告発者のパソコンを押収し、個人情報を抜き取って漏洩させる…知事側のこうした動きが事実として確認できれば、知事側の動きが告発者を精神的に追い詰めたことは明らかだろう。しかしリコール運動の動きは今も表面化していない。もちろん、知事から引責辞任の声は聴かれないままである。

 兵庫県の地方自治がいかに形骸化し、腐敗し切っているか、世間に広く知れ渡る残念な日々が続いている。実際、泉房穂氏が指摘するように兵庫県知事は60年以上にわたって天下り官僚が務めている。しかも戦争遂行に深く関わり、国民の人権抑圧に中心的役割を果たしてきた内務省、その解体後に発足した自治省、省庁改編後に登場した総務省の出身者ばかり(斎藤氏を含む5人)。これでは泉氏の言うように斎藤知事はもはや殿様気取りで執務に臨んでいるに違いあるまい。

 しかし、こうした地方政治の堕落は安芸高田市や神戸市を先頭に今や全国的展開を見せている。画一的な管理主義を武器にして児童生徒の民主主義的精神を圧殺し、その芽を潰すことばかりに専念してきた日本の公教育が招いたこの惨状を変えることができるのは、やはり学校教育の根本的な改革でしかあるまい。

【速報】斎藤知事の「パワハラ」は約4割「贈答品の催促」は約2割の職員が「見

 た・聞いた」と回答 アンケート調査 毎日放送  2024.8.19

 この段階では既に余りにも遅きに失しているが、当然のことながら知事は即刻辞職すべきである。ただし、事、ここに至ってもなお肝心要の兵庫県民の動きはおそろしく鈍すぎやしまいか。これまでの兵庫県での市民の動きの鈍さはたとえば神戸市の学校教育を巡る、残念極まりない数々の事件、事故を発生させた土壌になっていたとも考えられるのだ。

 おそらくこの地域では民主主義が随所で末期的な機能不全を起こしているに違いあるまい。もはや市民による知事のリコール運動が始まっても不思議ではないほどの状況下、県政のこれ以上の遅滞は取り返しのつかないレベルに達しかねない…

 私たちは「地方自治は民主主義の学校」と習ってきたが、兵庫県における「地方自治」の凄まじい腐敗ぶりは国政の堕落をきっとさらに増進させてしまうだろう。そういえば数々の差別的失言を繰り返し、裏金問題でも取りざたされたある国会議員は神戸市出身であった。かつて「号泣議員」として全国に名をはせたあの元県議も神戸市在住であった。なるほど、さもあらん…

【独自解説】“声を挙げた人”を保護する『公益通報者保護法』、死亡した元幹部職

   員には適用されず…なぜ守れなかったのか?兵庫県・斎藤元彦知事が下した“不適切

   な判断”を専門家が指摘   読売テレビ によるストーリー 2024.8.9

  やや長い記事だが、 公益通報制度の概要がよく分かる。同時に斎藤知事のパワハラ的言動もよく分かる内容。

告発文書言及の元課長死亡 兵庫県、3カ月公表せず

 共同通信 によるストーリー  2024.7.24

斎藤兵庫県知事のパワハラ告発の元局長死亡 「つるし上げる」と維新議員から糾弾

   されていた AERA dot.   今西憲之 によるストーリー 2024.7.13

   元局長自殺の一因となる動きが見えてきている。公務員としての守秘義務と内部告発、公益通報との難しい関係も察せられる。教師もまた公務上、生徒の個人情報に接する機会が多く、その情報を次年度の担任に伝える際、校務用のパソコンを使うべきなのか、私有のパソコンを使っても良いのか…おそらく多くの教師は校務用のパソコンを使用するだろう。守秘義務に関わる生徒のプライバシー情報を私有のパソコンに入力すること自体、避けるべきであるのは当然だからだ。

 ならば今回のような問題が生じたとき、教師が使用した校務用のパソコンの情報を公の場で公開すべきだと言われたとしたら、それは誰もが拒否するに違いない。特にクラス担任が抱える生徒情報の一部は決して口外できない部類のものも少なからず含まれており、議場で公開して良いはずがない。…元局長の心中を察するに、胸が痛む教師たちは少なくないのでは…

斎藤知事の兵庫県政「支持する」15% 文書問題巡る説明、6割超「納得できない」

  就任3年で本紙調査 神戸新聞NEXT/神戸新聞社 によるストーリー 2024.7.30

 高齢者ほど斎藤知事を支持する割合が多い、という調査結果に絶望を感じる若者は多いだろう。少子高齢化が進む中で若者の支持を得られないような頑迷固陋な政治家ばかりが再生産されてくる背景には高齢者特有の投票行動が潜んでいるだろう。高齢者の政治意識を変えることは明らかに不可能に近い。若者の投票率を上げることも難しいし、現状では残念ながら若者の投票率がどんなに上がろうとも、地方では老害政治家が当選し続ける。おそらく学校教育と現在の選挙のあり方を変えない限り、政治は変わらない。

 いっそのこと参政権の年齢制限を設けてはいかがか。とりあえず75歳以上は政治家に立候補することも、投票することもできない…実験的に少子高齢化が進んでいる複数の市町村をターゲットにして現在の市町村議員の年齢を明示し、それぞれの議員への指示度を年齢階梯別、性別に集計してみると良いだろう。この調査ができるのは地方の首長か、議会、あるいは地方紙であろうが、現状を変えたいと思うならばぜひ実施してみると良いだろう。

 生徒にはアンケートを用いるなどしてこの件について対応策までしっかりと考えさせたい。

【パワハラ疑惑】兵庫・斎藤知事、証人尋問でパワハラ認めず「県民としてお引き

 取り願う」県外からも「リコールしないの?」の声

 SmartFLASH によるストーリー 2024.8.30

 兵庫県議会は百条委員会を設けて知事のおねだり疑惑やパワハラ疑惑を追及するという、斎藤県政を改善するためのそれなりの努力と役割を果たそうとしている。しかし斎藤知事を選んだ責任はもっぱら兵庫県民にあるはず。したがって県政への当事者意識、主権者意識が普通にあればかなり早くから県民によるリコール運動が起きていたはずであり、民主主義の原則からすればリコール運動が起きない方が不健康だとすら考えられる。

 もちろん、リコールを成立させるには沢山の署名を集める必要があり、かなりの時間、労力、費用を必要とするだろう。しかしこれほど酷い状態を招いた知事の言動をこれ以上、県民が看過するのはいかがだろう。国民主権を土台とする民主主義が兵庫県ではまったくの機能不全に陥っているとしか、考えようのない状況ではある。

 泉房穂氏が指摘しているように、兵庫県知事は60年以上にわたり内務省、自治省、総務省官僚の天下り(斎藤氏を含む5人)が務めてきた。内務省は戦前、戦時中、国民の人権を抑圧して戦争遂行に協力した特高を擁する悪名高いお役所であり、そのためGHQによって戦後、解体されて自治省とされたが、実は特高のメンバーが戦後、警察学校の校長となるなど、その強権的体質にさほど大きな変化は無かったと見る立場もある。省庁改編で自治省の名前は総務省となったものの、結局は体質に大きな変化が見られなかったことは斎藤氏の強烈なパワハラ体質にうかがえるだろう。

 そもそも60年以上も天下り官僚を何一つ疑うことなく知事として選び続けた兵庫県民の政治意識にも大きな問題を感じるのは私だけではあるまい。リコールの成否を問わず、斎藤県政に唯々諾々と従い続ける兵庫県民にはもはや不気味さ以外、何も感じるものは無い、とすら言いたくなるほどの県政の乱れぶりである。

 過去、学校教育に関わる数々の異常な事件、不祥事を連発させてきた県都神戸市でも市民の動きは極めて不活発なものに見えていた。北海道の旭川市、札幌市でもしかり…どうやらこの状況は一部の地域に限られたものではなく、既に全国的なものなのかもしれない。だとすれば日本の民主主義は土台から崩壊しつつあるようだ。もしかすると日本の画一的で管理主義な学校教育がついには日本人の主権者意識、当事者意識を根こそぎ台無しにする負の効果を強烈に発揮し始めたのかもしれない。

「黙れ、一茂!」兵庫県知事問題で長嶋一茂が放った「県民批判」にブーイング殺

   到 アサ芸biz によるストーリー 2024.9.30

   長嶋氏の兵庫県民への批判的な見解は国民主権を土台とする民主主義の立場からすればむしろ極めて真っ当なものであり、これを問題視する報道側の方にも民主主義への理解不足があるような気がするのだが、いかがだろう。

   ただし、日本では本当に国民主権、民主主義が十全な意味で機能しているのか、きちんと根本から問い直した時、誰もが兵庫県民ばかりを責めることは出来なくなるのではあるまいか。たとえば日本国民が憲法の定めるとおりに選挙権を有していたとしても、政治上の重要事項や候補者、政党に関する情報が十全なレベルで有権者へ伝えられていなければ、その選挙は民主主義的な選挙の条件を満たしているとは言えなくなるからである。また学校教育においてやはり何らかの原因で生徒たちの多くが政治の実態をしっかりと学んでこなかったとすれば、やはり民主主義は将来的にもその健全な機能を阻害されてしまうに違いない。

 民主政治は多数の民意に基づいて行われるべきだ…などと世間では言われたりするが、マスコミや学校などが垂れ流す不十分な情報、偏った情報によって過半の民意が形成されてしまっているとすれば、民意はただの人気投票的な選挙の結果にのみ集約され、選挙結果がすべて、といわんばかりの洗脳による専制政治、ただのポピュリズムに直結してしまうのかもしれない。

 この記事は現代の日本政治の危機的状況に迫る上で、ある意味、それなりに役立てることができるものであり、授業においては批判的な立場から扱うと面白いだろう。ぜひ、長嶋氏の意見とアサ芸の意見について賛否を問い、議論に持ち込みたい。

問われる兵庫県知事の公益通報“保護対象外”判断(大渕愛子弁護士)

   労基旬報 によるストーリー 2024.10.6

   公益通報制度自体の欠陥もあって元兵庫県知事のパワハラ等の問題は意外にも混迷を深めているようである。告発には真実相当性が無い、との元知事側の判断の正当性、根拠が、本来ならば法廷の場で様々な検証を経て厳密に問われるべきだろう。しかし遺族からの訴えが無い時点では当分の間、第三者委員会の調査結果を待つほかに真相究明の道筋は見えてこない。

   リハック(2024.10.6)での元知事による発言で特に気になる点があった。自殺した元西播磨県民局長のコンピュータに記録されていた内容に「プライベートな内容でかつきわめて大きな倫理上の問題があった」ことが告発の真実相当性、公共性を十分に疑わせるものとした根拠の一つ、という点である。

   元局長側には公に出来ないほどの倫理上の深刻な問題が潜んでいて元知事としてはその内容をここでつまびらかにする立場にはない、とのこと。口には出せないほど、元局長がいかに酷い、倫理的にもとる人間性の持ち主だったか、言外に匂わす、極めて政治的な発言であったように私は受け止めたのだが、いかがだろう。

   ただし、それだけ重大な内容の報告があったにもかかわらず、部下がこれは知事の立場としては見ない方がよろしい、との進言に従い、元知事は直接、その内容を確認しなかったという。つまり、部下の報告に何ら疑いをさしはさむことなく、単純にも鵜呑みにしてしまった点に私は大きな疑念を持つ。しかも、その後も部下の報告を自らまともに確認することすらしないまま、分限に関わる重大な処分に踏み切る、という明らかな違法レベルの暴挙に打って出ている。

   私たちはリハックでの元知事の発言を通じて元局長の極秘にすべき倫理的問題点がいかなるものだったのか、まったく分からないままに元局長の人間性への強い疑念を巧妙に植え付けられてしまい、反対にマスコミや県議会から袋叩きにあってしまった元知事への同情をいつの間にか刷り込まれてしまっているようである。

   元局長の遺族にとっても決して公に出来ないような、個人の倫理的問題が本当にコンピュータの記録内にあったのか否か…現時点では部外者に不明のまま、明らかに故人への倫理面、人格面への深刻な中傷とも捉えられかねない発言が、大きな世論への影響力を持つリハックの中で元知事によってなされた、という事実が持つ意味は知事選を控えたこのタイミングの中で、計り知れない重みがあるのではあるまいか。

   これはどうみても世論操作的発言であろう。公に出来ない事柄を根拠にして故人を批判する…元知事の立場としては決して許される言動ではなく、これ自体、故人及び遺族への強烈なパワハラである、といっても過言ではあるまい。常識的に見ても「死人に口無し」の状況では、公に出来ない、すなわち公に立証できない事で故人を批判し、中傷することは明白な禁じ手であり、卑劣極まりない行為である。

   以上、とても知事という要職にあった者の言動とは思えない軽率さ,傲慢さを斎藤氏には感じる。リハックにおけるこの言動一つだけでも、斎藤氏の失職は不可避の出来事であるばかりか、刑事訴追の可能性をも考えてしかるべきレベルの卑劣な問題発言だろう。私としてはこの問題は法的権限に欠ける第三者委員会ではなく、司法の場で厳密に事実関係を明らかにしてから裁かれるべき案件だと思うが、いかがか。

 

「安倍国葬文書」隠蔽で国を提訴 非営利報道機関「Tansa」が閣議決定政治

   に一石 日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー 2024.10.1

   国民の知らないところでコソコソと物事が進んできた安倍内閣の時代に生じた様々な問題は結局ほとんど未解決のまま、安倍氏の国葬までもが秘密裏に行われてしまった。まさに今の日本政治は肝心な部分がほとんどがブラックボックスの中で処理される、民主主義とは程遠い状況にあるだろう。

 この国ではマスコミも骨抜きにされてマスゴミと揶揄される一方で、国民の知る権利はひたすら蹂躙されてきた。同時に画一的で管理主義的教育、しかも現実離れした無味乾燥の政治教育が貫徹され、政治に無関心な若者が量産され続けている。そして当然のごとくに老害政治家が全国各地で跋扈する…石破政権が成立しようという現段階でも、こうした悪循環を断とうとする新たな政治の動きは今のところまったく見られない。この政権も結局は「老害政治」の延長線にあるのだろう。

身内の性犯罪を隠蔽し、告発者を逮捕…戦前よりひどい警察の実態を大マスコミと裁

 判所はなぜ見逃すのか 

 プレジデントオンライン 木俣 正剛 によるストーリー 2024.8.13